マラネロの核にある哲学は失われず フェラーリ 849テスタロッサ・スパイダー(1) 1050psのV8プラグインハイブリッド 剛性はクーペと同等

公開 : 2026.07.28 18:05

フェラーリ 849テスタロッサに、リトラクタブル・ハードトップを得たスパイダー登場。1050psのV8プラグインハイブリッドと秀抜なシャシーで、まさに疾走する壮大なシアターです。UK編集部が試乗します。

マラネロの核にある哲学は失っていない

2026年の春、フェラーリはルーチェと名付けられた、5シーターのバッテリーEVを発表した。これは、ブランドファンに限らず、多くの人へ衝撃を与えることになった。歴代で最もフェラーリらしくないモデル、と表現しても過言ではないだろう。

株式市場は素早く反応し、同社の株価は急落。SNSは、批判的なポストで溢れた。こんな状況に、取締役会は早々の対応を検討したのではないかと察する。

フェラーリ 849テスタロッサ・スパイダー(欧州仕様)
フェラーリ 849テスタロッサスパイダー(欧州仕様)

マーケティング主任は突如交代になり、同社としては10年ぶりのMT搭載モデル、12チリンドリ・マヌアーレの限定生産が明かされた。そして、矢継ぎ早に試乗の機会を得たのが、849テスタロッサの「スパイダー」だ。

フェラーリは、電動化という未来へ向かって加速を続けている。それでも、マラネロの核にある哲学は、失われていないと再確認できた。「今でも世界最高峰のスーパーカーを作り続けているのです」という声明が、聞こえてくるようだった。

総合1050psを繰り出すV8プラグインハイブリッド

849テスタロッサは、SF90ストラダーレの後継で、フェラーリの量産モデルにおけるフラッグシップ。そのリトラクタブル・ハードトップ版が、スパイダーだ。

4.0L V8ツインターボエンジンが主体のプラグイン・ハイブリッドは、SF90ストラダーレの進化版。前側には左右のタイヤへ1基ずつ、後ろ側には8速デュアルクラッチATの手前側へ1基の駆動用モーターを実装し、システム総合で1050psを繰り出す。

フェラーリ 849テスタロッサ・スパイダー(欧州仕様)
フェラーリ 849テスタロッサ・スパイダー(欧州仕様)

公道用モデルとしては、フェラーリ史上で2番目に高出力。スペック的には、アストンマーティン・ヴァルハラやランボルギーニレヴエルトに並ぶといえる。

0-100km/h加速は2.25秒と、驚異的。史上最速のコンバーチブルであることは、間違いないだろう。お値段も44万ポンド(約9240万円)以上と、最高峰の領域だが。

14秒で開閉するリトラクタブル・ハードトップ

テスタロッサという名前には70年以上の歴史があるが、これまでオープントップ・モデルは量産されてこなかった。レースカーの他、1980年代のモデルでは、充分な対価を提示した特別な顧客の要望へ応えるため、限定的に提供されているが。

対して、849テスタロッサのスパイダーは、クーペから約3万ポンド(約630万円)増し。45km/hまでなら、走行中でも14秒で開閉できるリトラクタブル・ハードトップを背負い、乱気流を防ぐため、電動で昇降するリアガラスが備わる。

フェラーリ 849テスタロッサ・スパイダー(欧州仕様)
フェラーリ 849テスタロッサ・スパイダー(欧州仕様)

荷室への影響はない。そもそもクーペでも、キャビン後方には荷室がなく、フロントに小さな収納があるだけだ。後方の視界も、想像より悪化していない。開いたルーフは、V8ツインターボエンジンの上、リアデッキ内へきれいに収納される。

シャシーは補強されたが、車重は30kgの増加に抑えられ、ねじり剛性はクーペと同等とのこと。シルエットも殆ど変わらないため、空力特性への影響も小さい。キャビンへの風の巻き込みは、最小限に抑えられたそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。

フェラーリ 849テスタロッサ・スパイダーの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法