高放射線検出のクルマ、8年間ゼロ 輸出中古車の「放射線量検査」なぜ今も続く? 費用は東電負担

公開 : 2023.03.11 05:45  更新 : 2023.03.11 13:40

検査いつまで? 「汚染車両」東電が買取したことも

このような状況の中、いつまで輸出中古車に対する放射線測定を続けるのか? ほかにも毎週測定結果を出している港はあるのか? 前述した川崎市港湾局に聞いてみた。

「検査結果の公表を終わらせるかどうか? 考えたこともありませんでした」

福島第二原発の様子(2022年8月撮影)
福島第二原発の様子(2022年8月撮影)

「測定をおこなっているのは川崎市港運協会で港運協会の自主的な全量検査が続く限りは結果を公表するつもりです」

「川崎以外に他にあるのか? ということですが(全部の港を調べたわけではありませんが)おそらく、毎週1度も欠かすことなく川崎港から出るすべての輸出中古車の放射線測定をおこなって結果を公表しているのはほかにないのではないでしょうか?」

放射線量がめちゃくちゃ多くて除染したくらいでは追いつかない=売り物にできない中古車はどうなるのか。こんな話もある。

「5~6年前に経産省の主導によって、福島で放射能に汚染された車両を集めて東電に買い取らせたことがありました」(大手輸出業者)とのこと。

原発事故から12年経った現在も、立ち入り禁止となっているエリアには数多くの貴重な国産旧車が放置されたままになっている。その様子はYou Tubeなどで見ることができるが、これらのクルマ達が再び海外に出され脚光を浴びる日はやってくるのだろうか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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