たった1台しか作られなかった奇抜なクルマ 33選(前編) ツインエンジンのランチアからポルシェのステーションワゴンまで
公開 : 2026.07.26 11:05
大量生産が当たり前となった現代では、1台限りの「ワンオフ車」を作ることはかえって難しくなっています。今回は、莫大な費用をかけて生産された世界中のワンオフ車の中から、特に興味深いものをピックアップしました。
もくじ
ー世界に1台だけのクルマ
ープジョー404(1966年)
ーフォード・スーパーバン1(1971年)
ーフィアット130ファミリアーレ(1971年)
ーアストン マーティン・ブルドッグ(1980年)
ーフォルクスワーゲン・シロッコ・ツインエンジン(1983年)
ーフォード・スーパーバン2(1984年)
ーランチア・トレヴィ・ビモトーレ(1984年)
ーポルシェ928-4(1984年)
ーポルシェ928 H50(1987年)
ーローテックC1000(1991年)
ーフォード・スーパーバン3(1995年)
世界に1台だけのクルマ
クルマが登場してから間もない頃、ボディとフレームが別々の構造で、すべて手作業で組み立てていたような時代には、ワンオフ車の製作は容易だった。
しかし、モノコック構造の普及により、世界に1台だけのクルマを製作することはかえって困難になった。とはいえ、自動車メーカーは時折、顧客からの依頼やマーケティング活動の一環として、公道走行可能なワンオフ車を発表することがある。あるいは、量産モデルのプロトタイプとして公開したものの、日の目を見ることはなかったというケースもある。

たった1台しか作られず、公の場に姿を現す機会がないのは残念だ。せめて写真だけでも楽しみたい。今回は興味深いワンオフ車を33台紹介する。
プジョー404(1966年)
プジョーは404カブリオレをベースに、固定式のルーフを備え、最高出力70psのディーゼルエンジンを搭載したマシンを生み出した。フランスのモンレリー・サーキットで72時間にわたり走行し、その過程で22の速度記録を更新、そのうち3つは完全な新記録だった。

フォード・スーパーバン1(1971年)
1971年4月、英国のスラクストン・サーキットで開催されたイースター・レース・ミーティングでトランジット・スーパーバンが初公開された。フォード自身も、まさかこのマシンがこれほどまでに伝説的な存在になるとは予想だにしなかっただろう。ボディシェルは配送用バンとして親しまれる標準的な初代トランジットだが、そこには驚くべき秘密が隠されている。フォードGT40のシャシーをベースにしており、ミドシップに5.0L V8エンジンを搭載しているのだ。
最高出力435psと、スーパーバンのパフォーマンスは圧倒的だった。AUTOCAR UK編集部がフォード・モータースポーツのボアハム飛行場で試乗した際、0-160km/h加速わずか21.6秒を記録した。さらに、2速ギアで164km/hに到達! 最高速度は270km/hと推定されていたが、空力性能は劣悪だったため、そのようなスピードを体験するのは恐ろしいものだっただろう。残念ながら、スーパーバン1号車は1970年代に廃棄されてしまった。

フィアット130ファミリアーレ(1971年)
実業家のジャンニ・アニェッリ氏(1921〜2003年)がフィアットを所有していた頃、彼のために数多くのワンオフ車が製作された。その中には、最高級セダンであるフィアット130をベースにした5ドア・ステーションワゴンもあり、3.2L直列6気筒エンジンを搭載し、最高出力は165psだった。
アニェッリ家は、この極めて実用的なステーションワゴンを4台製作させたが、それぞれ細部が異なっていた。当主が所有したのは、ルーフラックと側面に籐細工が施された1台で、こちらは「ヴィラ・デステ」と呼ばれ、現在は個人所有となっている。ここに掲載されている1台は、もともとウンベルト・アニェッリ氏(ジャンニの弟)が所有していたもので、現在はステランティス(旧FCA)が所有しており、イタリアにある同社のコレクション『ヘリテージ・ハブ』に収められている。




















