際立つブッソV6の美声 アルファ・ロメオ GTV6 BSCCレーサー(2) 克服を目指す3つの弱点 「レーシングカーとしては最高」
公開 : 2026.07.26 17:50
2026年のグッドウッド参加を目指す、1980年代のアルファ・ロメオ GTV6 BSCCレーサー。悲惨な状態からレストアを経て、イベント優勝を狙えるマシンに。UK編集部がピットレーンへ潜入します。
もくじ
ー260馬力まで強化しても信頼性は落ちない
ートランスアクスル・アルファの3つの弱点
ーアンダーステアでもレーシングカーとしては最高
ーまるでナイフの上を進むような危うさ
ー4気筒エンジンの中で際立つブッソV6の美声
260馬力まで強化しても信頼性は落ちない
「今年は、マシンに多くの変更を加えました。ステアリングもブレーキも、良くなっているはず。去年は完全なノーマルブレーキで、酷かったんですよね」。アルファ・ロメオ GTV6をチェックしながら、リチャード・メルビン氏が笑う。
「グループ1の規定なのですが、200km/h以上出るクルマでも、ブレンボ社製の小さな2ポットキャリパーで止める必要があるんです」。ホイールは、コンポモーティブ社製だ。

クリス・スノウダンが続ける。「ペダルを踏む力や、ブレーキラインの圧力、パッドの材質など、試せる部分は色々あります」。2.5L 12バルブのブッソV6ユニットも、オーバーホールされた。「高圧縮ピストンと、ハイリフトカムを組んでいます」
「定番のチューニングは、一通り施しました。8000rpm近くまで回って、240馬力くらい。260馬力まで強化しても、信頼性は大きく落ちないでしょう」
トランスアクスル・アルファの3つの弱点
この年代の、トランスアクスル構造を得たアルファ・ロメオには、3つの弱点がある。1つ目はアンダーステア。そして駆動力のパワーロスと、ブレーキの弱さだ。
それでも、1972年にGTV6の原型となるアルフェッタが登場した時は、50:50の重量配分が大きな話題になった。旋回時の、慣性モーメントの小ささも。ド・ディオン・サスペンションとトランスアクスルのリア側は、しっかり設計が煮詰められていた。

パワーロスは対策済み。「われわれは、ギアボックス全体にニードルローラー・ベアリングを組んで、摩擦を抑えています。それでも、ストレートカット・ギアはノイズが大きく、発熱し損失も大きいんですよね」。メルビンが肩をすくめる。
「クラッチは、アルファ・ロメオ75用の強化シングルプレート。LSDも組んでいますし、プロペラシャフトには滑らかなCVジョイントを採用しています。クラッチハウジングは、振動への耐性を高めるべく、チームでARDT仕様を再製作しました」
アンダーステアでもレーシングカーとしては最高
アンダーステアは改善が難しい。キャンバー角の調整や、フロントのトーションバーとアンチロールバーの強化で、ある程度は対応できる。しかし、ダブルウイッシュボーン・サスペンションは、そもそも設計の詰めが甘かった。
2.5LのブッソV6は、当初アルフェッタが積んでいた4気筒ツインカムより遥かに重い。理想的といえた重量配分は崩れ、操縦性のバランスは失われていた。実際、公道仕様のGTV6の場合、フロントヘビーで一般的なFRと変わらない挙動を示す。

「それでも、レーシングカーとしては最高」。メルビンが笑う。「トランスアクスルとド・ディオン・リアサスの組み合わせで、コーナーでもスピードを保ちやすいですし、パワーを路面へしっかり展開できます」
「エンジンの回転数と等速で回るプロペラシャフトは、弱点になりがち。クラッチハウジングへの負荷も高いです。クイックに変速しにくいMTも、課題ですね」









































































































