フェラーリ・ジャパン代表取締役社長、リノ・デパオリ、独占インタビュー

2014.09.15

フェラーリ・ジャパンの主催による、「フェラーリ・レーシング・デイズ 富士2014」が、9月13日と14日の両日、富士スピードウェイで開催された。フェラーリのカスタマーはもちろんのこと、フェラーリファンにとっても特別なイベントともいえる、フェラーリ・レーシング・デイズ。フェラーリのGTドライバーである、ジャン・カルロ・フィジケラ選手をゲスト・ドライバーに迎えた、フェラーリ・チャレンジ・アジアパシフィック・シリーズの第5ラウンドを始め、ラフェラーリの走行シーンを一般向けに初公開するなど、今年もこのイベントにはさまざまなプログラムが用意されていた。フェラーリ・ジャパンによれば、今回富士スピードウェイに集まったフェラーリは750台以上。2日間で、延べ1700人以上のオーナーとパートナーがイベントを楽しんだという。フェラーリ・ジャパンの代表取締役として、今年5月に新たに着任したリノ・デパオリ氏にとっても、今回のフェラーリ・レーシング・デイズの成功は、非常に頼もしく思えたに違いない。

――まずは、フェラーリ・レーシング・デイズ 富士2014を実際に主催された感想をお聞きしたいのですが。

「天候に恵まれたということもあるのでしょうが、私自身は非常に好印象を受けました。本当に素晴らしいイベントだと思います。私が富士スピードウェイに到着したのは、開催初日の土曜日、朝9時半頃だったでしょうか。すでに多くのフェラーリで埋め尽くされたパーキングを見て、オーナーやパートナーの方々が、レーシング・デイズを本当に楽しみにしていたという気持ちが伝わってきました。さらに驚かされたのは、さまざまな年代の、さまざまなモデルが揃っていたことでしょうか。メインプログラムのフェラーリ・チャレンジにも、4名の日本人ドライバーがエントリーしており、日本国内でフェラーリ・チャレンジに参戦できることに、特別な感情を抱いていただけたのではないかと思います。F1やラフェラーリのデモンストレーション走行が実現したのも、今回のイベントを成功させた大きな理由でした。」

――フェラーリ・ジャパンの代表取締役に着任された当初と現在で、日本市場に対しての印象は変わりましたか。

「着任前から、日本市場についてのさまざまな情報は得ていました。実際にまず感じたのは、日本がフェラーリにとって、すでに十分に確立された、成熟した市場であったということです。市場でのフェラーリの存在感の強さにも改めて自信を持つことができました。モータースポーツに対しての関心が大きいことも印象的です。」


――マラネロからは、この週末を前に2014年上半期の営業実績が発表されています。

「上半期の実績は、非常に魅力的なものだったと思います。日本市場においては、消費税の税率がアップするという特別な事情がありましたが、それでも成長率は2ケタに達しています。ブランド・バリューは非常に高く、またほぼ毎年ニューモデルを発表し、研究開発への再投資を積極的に行うという企業の姿勢も、高く評価されています。今後はセールスの実績をさらに高めることも重要ですが、パーソナリゼーションや、コルセ・クリエンティ=カスタマー・レース部門など、フェラーリが用意するさまざまな特別なプログラムを充実させることも考えていいたいと思います。中古車市場も、日本ではこれからさらに魅力的なものとなると考えています。」

――この営業実績の発表に前後して、これまで23年間にわたってフェラーリを率いてきた、ルカ・ディ・モンテゼーモロ会長の退任が発表されました。モンテゼーモロ氏は非常にカリスマ性のある人物でしたから、それを残念に思うオーナーやファンも多いと思います。

「クルマはもちろんのこと、現在のフェラーリの社風、あるいは文化というものは、彼によって築かれたものであることは間違いない事実です。創業者であるエンツォなき後のフェラーリは、彼のものだったと表現しても、それは間違いではないでしょう。けれどもフェラーリというブランドの根幹にあるDNAは、これからも変わることはないのです。今の段階で、将来のフェラーリがどうなるのかを語るのは、まだ早すぎるように思います。CEOであり、またエンジニアでもあるアメデオ・フェリーザは、このままフェラーリをリードしていきますし、優秀なエンジニアリング・チームからは、今後も素晴らしいプロダクトが誕生していくことになるでしょう。」

(インタビュー & 文・山崎元裕)

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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