レクサス新規モデル『TZ』世界初公開の現場で分かった、プレスリリースから読み解けない事実 プラットフォームはEV専用に非ず

公開 : 2026.05.11 07:45

5月7日、レクサスの新規EV『TZ』がトヨタ・テクニカルセンター下山で世界初公開されました。公開イベント後に実施された取材会を通じて得た、プレスリリースからは読み解けない事実を桃田健史がレポートします。

『そこそこ大きなクルマ』という印象

5月7日、レクサスの新規EV『TZ』のワールドプレミアがトヨタ・テクニカルセンター下山で行われた。

発表の模様はYouTubeでライブ配信されており、トヨタのチーフ・ブランディング・オフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏が世界市場に向けた英語のプレゼンテーションが和訳付きで公開されている。

5月7日にトヨタ・テクニカルセンター下山で初公開された、レクサスの新規EV『TZ』。
5月7日にトヨタ・テクニカルセンター下山で初公開された、レクサスの新規EV『TZ』。
    トヨタ自動車

実は、その後にTZのチーフエンジニアと担当デザイナーによる技術解説や、部品やホワイトボディを見ながらTZに導入された様々な技術について、それぞれを担当するエンジニアと意見交換する場が設定されていた。

こうした流れの中で、筆者はプレスリリースからは読み解けないTZに関する事実を確認することができた。

では、発表会見の現場で感じた、TZの注目ポイントについて紹介していきたい。まず、大きさだ。

ハンフリーズ氏のプレゼンの中に登場したTZは、『そこそこ大きなクルマ』という印象だ。ところが、開示されたデータを見ると、全長5100mm、全幅1990mm、1705mmと、かなり大きなSUVである。

コンセプトモデルであれば、このくらいのサイズがないと存在感がないし、また北米市場向けとすればミッドサイズSUVのイメージなので、決して大き過ぎるとは言えない。

しかし、TZは日本でも今年冬頃に発売予定であることが明らかになっており、日本の道路環境下での実用性が問われる商品である。

ラウンジとして上質なエクステリアとインテリア

そんな日本市場では大型SUVに属するTZの商品コンセプトは、『ドライビング・ラウンジ』。

ラウンジ感はエクステリアデザインでもはっきり見て取れる。興味深かったのは、担当デザイナーが実際にTZのラフスケッチをその場でしてみせたことだ。ベースの要素は、3列シートとホイールベース(3050mm)。ここからボディを下から上に積み上げていくように描いていく。

ダッシュボードは水平基調で、インパネ類も上質な薄さを感じさせる仕立てとなっている。
ダッシュボードは水平基調で、インパネ類も上質な薄さを感じさせる仕立てとなっている。    桃田健史

具体的には、EVであることでフロントショートオーバーハング(1000mm)とし、リアオーバーハング(1050mm)は荷室の広さと全体プロポーションとのバランスを取った。

さらにボディのウエストラインや、ルーフなどのイメージや角度、存在感を強調するホイールアーチ形状などを考慮していくという流れだ。

また、大きなSUVとして電費を考慮して空気抵抗を減らし、セダン並のCd値0.27を実現している。

インテリアについては、まさにラウンジを実現。シートがシートバックでの意匠と安全性のバランスにより見た目として薄くて上質という印象をもたせた。

ダッシュボードは水平基調で、インパネ類も上質な薄さを感じさせる仕立てとなっている。センターコンソールのシフト類などは特殊なデザインではなく、シンプルさの中でのラグジュアリー感を印象付けた。

自慢のオーディオは、マーク・ロビンソンによりレクサス史上で屈指の没入感あふれるサウンド空間を目指した。実際に車内で聞いたが、後席重視のモードだと空間全体に音が上手く広がる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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