「プアマンズ・フェラーリ」を手に入れた英国在住オーナー 1963年式ルノー・カラベル ルックスこそがすべて

公開 : 2026.05.11 17:25

英国在住のダニー・マクリーンさんは、55psと非力ながらも美しい外観を持つ1963年式ルノー・カラベル1100を入手。スピードメーターや燃料計の修理のためにはエンジンを降ろす必要があるとのことですが……。

パワステなし、ブレーキサーボなし

「これは『いいでしょう、でも……』と言いたくなるようなクルマです」と、英国在住のダニー・マクリーンさんは自身のルノー・カラベル・コンバーチブル1100について語る。

「確かにブレーキはついていますが、サーボはありません。確かにステアリングはありますが、パワーステアリングではありません。昔、人々はカラベルを『貧者のフェラーリ(プアマンズ・フェラーリ)』と呼んでいました。そう思うにはお酒を1杯か2杯飲まないと無理でしょうが、それでも、かなり美しいクルマです」

ダニー・マクリーンさんのルノー・カラベル・コンバーチブル1100
ダニー・マクリーンさんのルノー・カラベル・コンバーチブル1100    AUTOCAR

ダニーさんの言う通りだ。彼のカラベルには、エンジンカバーに施された非常にフランスらしい「1100」の文字や、リアナンバープレートの両脇にあるメッシュグリル(純粋に装飾用)など、素敵なディテールもいくつか見られる。

1958年に2+2クーペ、カブリオレ、コンバーチブルの各種ボディスタイルで発売されたカラベルは、カロッツェリア・ギアの手による設計だ。このイタリアンなルックスは偶然の産物ではない。トライアンフ・スピットファイアのようなスポーツカーと真っ向から競合するはずだったが、少なくとも英国では、価格はライバルのほぼ2倍だった。

ちなみに、カラベル(Caravelle)という名称は北米と英国向けのもので、それ以外の市場ではフロリード(Floride)と呼ばれている。

購入するのはこれで2台目 

ダニーさんの所有するこの車両は、生産が終了する5年前の1963年に登録されたものだ。彼が所有したカラベルはこれで2台目だという。「1台目は1970年代後半に買いました」と彼は振り返る。

「当時、ほとんどの人が乗っていたフォードヴォグゾールとは、見た目がまったく違っていたんです。今のカラベルほど状態は良くなくて、675ポンドで買ったものですが、ある人が700ポンドで買い取ると申し出てくれたので、手放しました」

ダニー・マクリーンさんのルノー・カラベル・コンバーチブル1100
ダニー・マクリーンさんのルノー・カラベル・コンバーチブル1100    AUTOCAR

「何年も売ったことを後悔していましたが、1年半前、クラシックカーのオークションでこの1台を見つけました。9000ポンド(約190万円)強で手に入れましたが、それ以来、かなりの金額を修理費に費やしていますね」

ただし、車体や内装への出費ではない。この車両は南アフリカから英国に輸入されたもので、環境の違いから、これまで塩害に悩まされることはなかった。また、部分的に修復されていたが、その一部は修正が必要だった。

「いわゆる『その場しのぎの修理』を直してもらうため、ウィンブルドン・クラシック・カーズに預けました。例えば、ブレーキが適合していなかったり、本来は溶接すべきでない部分が溶接されていたりしたんです。今では工場出荷時の状態に戻りましたよ」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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