目指すは次世代のスタンダード 3代目『日産リーフ』を作る人々:チーフデザイナー編 空力を意識した3つのコンセプトとは

公開 : 2026.05.11 12:05

3代目『日産リーフ』が日本でデビューして、半年以上が経過しました。そこで実際に開発した関係者に、内田俊一がインタビューします。続いてチーフデザイナーです。目指したのは次世代のスタンダードでした。

空力を意識してデザイン

新型『日産リーフ』のエクステリアは、航続距離向上などを目的に空力に注意を払ってデザインされ、インテリアにおいても特徴があるという。チーフデザイナーにそのあたりを詳しく聞いた。

エクステリアデザインのコンセプトは、空力を意識したスーパーエアロ、ドアハンドルに代表されるスーパーフラッシュ、そしてデジタルアクセントの3つとなる。

新型『日産リーフ』は航続距離向上などを目的に空力に注意を払ってデザインされた。
新型『日産リーフ』は航続距離向上などを目的に空力に注意を払ってデザインされた。    日産自動車

特にスーパーフラッシュはボディ全体から細部に至るまで、「クリーンにシンプルにつるんとさせることで、より次世代のEV感と空力を両立しています」と話すのはチーフデザイナーの田勢信崇さん。

デジタルアクセントについてはこう説明している。

「いろいろなところに、長四角丸のような記号性が入っています。これは四角の角が取れたようなスマートフォンなどのデジタルデバイスを意識し、インテリアのモノリスというディスプレイにも使われています。

またリアコンビの『二』と『三』のグラフィックも、ひとつひとつこの矩形でできてます。そうしたトンマナを合わせることで、リーフのキャラクター付けを積極的に行っています」

ちなみに合わせて日産を表す『二』と『三』の矩形は、充電リッドなどでも使われる。

次世代のスタンダードにしたかった

そもそも田勢さんは、リーフをどのようにデザインしたかったのだろうか。

「次世代のスタンダードです。いろんなお客様に乗って頂けるようなクルマにしたかった」と開発当初を振り返る。その一方で「中庸なクルマにはしたくなかった」とも。

新型日産リーフを担当した、チーフデザイナーの田勢信崇さん。
新型日産リーフを担当した、チーフデザイナーの田勢信崇さん。    内田俊一

「デザイナーですから強いアイコンや記号性は譲れないし出したかったんです。そこで強い存在感や、次世代のスタンダードになるぐらいの新しいものを生み出そうとしました」と話す。しかし次世代とは難しそうだ。

「我々はアリアサクラという世代があり、デザイン的に優れている部分もあります。そしてその次を考えた時にVモーションやシグネチャーをどう進化させるかを考えたのです」

具体的には、マイナーチェンジ前のアリアやサクラなどはVモーションが内側に入っている。

「それをめいっぱい外側に持ってきて、顔全体でシグネチャー表現してるので、結構クルマが大きく見えるんです。そこで、次世代に繋がる存在感や強さが表現できています」

Zと同じマイスターがクレーを削った

また、リアフェンダーの張りだしも存在感がある。これはリアドアハンドルをCピラーにインテグレートしたことで可能になった。フロントのようにフラッシュドアハンドルを使うとドア内部にある程度空間を持たせなければならないため、さらにボリュームを生むことが難しくなる。

しかしそうしなかったことから、あえてリアドアあたりでボディを絞ることができて、よりリアフェンダーを強調することができたのだ。

フロントはフラッシュドアハンドルだが、リアはCピラー内に収めた。
フロントはフラッシュドアハンドルだが、リアはCピラー内に収めた。    日産自動車

ちなみにリーフは、「フェアレディZと同じマイスターがクレーを削ったんです。なんとなくZらしさを感じませんか」とのことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    Shunichi Uchida

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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