タイカン・クラスのBEVサルーン ハイファイ Z AWDへ試乗 2023年後半に欧州へ上陸

公開 : 2023.04.14 08:25  更新 : 2023.05.01 08:39

グランドツアラーと呼ぶに相応しい質感

Zを発進させてみると、グランドツアラーと呼ぶに相応しい質感を叶えていることがわかる。タイヤはしっかり路面を掴み、乗り心地は好ましい。ステアリングホイールの重み付けは妥当で、後輪操舵システムを備えるが、巧みな制御で正確に反応する。

このフィーリングの根底にあるのが、強力なツインモーター。2基合計での最高出力は608psがうたわれる。

ハイファイ Z AWD(中国仕様)
ハイファイ Z AWD(中国仕様)

ステアリングホイールの裏にはパドルが備わり、回生ブレーキの強さを調整可能。4種類用意された、ドライブモードの切り替えもまかなえる。中国製BEVとしては珍しい。

回生ブレーキの効きは、ロー、ジェントル、ミディアム、ストロングという4段階。確かに名称通り変化していくものの、ストロングでも強力とまでは感じなかった。ワンペダル・ドライブには対応していない。

608psというパワフルさだけあって、四輪駆動のZは速い。特にスポーツ・モードを選択すれば、意欲的なドライバーをも満たせるはず。0-100km/h加速は3.8秒でこなす。操縦性も悪くない。

運転席の正面には、割り切ったようにメーター用モニターがない。そのかわり表示エリアが7.9インチある、ヘッドアップ・ディスプレイが備わる。速度やナビの案内だけでなく、必要な情報を目線をそらさずに確認できる。

ダッシュボード中央、タッチモニターのドライバー側にも速度などが表示される。だが、見る機会は殆どないだろう。

2023年後半から欧州にも上陸

ハイファイは、SUVのXを2023年後半に欧州で販売する計画を立てている。その後、このZも続くという。どのように受け止められるのか、興味深い。

少々仕上がりの甘い部分もあるとはいえ、Zの路上での存在感は半端ない。前衛的なスタイリングは、好みが分かれるとは思う。とはいえ、運転が楽しいと感じられるBEVであることは間違いない。

ハイファイ Z AWD(中国仕様)
ハイファイ Z AWD(中国仕様)

ハイファイ Z AWD(中国仕様)のスペック

中国価格:63万元(約1204万円)
全長:5036mm
全幅:2018mm
全高:1439mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.8秒
航続距離:704km(CLTC値)
電費:5.6km/kWh(CLTC値)
CO2排出量:−g/km
車両重量:2539kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:120kWh
最高出力:608ps(システム総合)
最大トルク:83.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:シングルスピード・リダクション

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・アンドリュース

    Mark Andrews

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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