エスプリアルピーヌを追加 ルノー・クリオ(ルーテシア) E-テックへ試乗 走りの高い洗練度

公開 : 2023.07.15 08:25

ハイブリッドは全般的に素晴らしい洗練度

パワートレインも、同じ理由で選択肢は少なくなっている。英国で選べるのは、1.0L 3気筒ガソリンターボと、1.6L 4気筒ガソリン・ハイブリッドのE-テックという2択のみになった。

ルノーによれば、2024年までにすべてのラインナップをバッテリーEVへスイッチするべく、一層のハイブリッド化も計画していたというが、物価上昇などを理由に見送られた。それでも、E-テックが今後の販売台数の60%以上を占めると予想されている。

ルノー・クリオ(ルーテシア) E-テック・エスプリアルピーヌ(欧州仕様)
ルノー・クリオ(ルーテシア) E-テック・エスプリアルピーヌ(欧州仕様)

ルックスは大幅なイメージチェンジを果たしたルーテシアだが、実際に運転してみた印象は、従来のそれへ非常に近い。僅かな癖があるものの、全般的に素晴らしい洗練度にある。

非常に正確な操縦性で、パワートレインのたくましさも充分。徐行程度の速度域では乗り心地に硬さを感じるものの、それ以外は至って快適。長距離ドライブも、まったく苦ではないはず。

ハイブリッドのE-テックの構成は、自然吸気の1.6L 4気筒ガソリンエンジンに、24psのスターター・ジェネレーター(ISG)と、48psの駆動用モーター、1.2kWhの駆動用バッテリーという内容。独自の4速マルチモードATを介して、前輪を駆動する。

システムは複雑ながら完成度は高く、殆どの条件でスムーズにルーテシアを走らせる。市街地では、短距離ならバッテリーEVのようにほぼ無音で動く。ガソリンエンジンが始動しても、駆動用モーターがアシストを加え、豊かなトルクの波に乗れる。

カタログ値の23.7km/Lへ実際に迫れる

強い負荷が掛かるような場面で、エンジンがレッドライン付近まで回転数を高めると、ややがさつなノイズで上品さを欠くこともある。それでも、基本的に普段使いしている限り、静しずと必要な仕事をこなす。加えて、驚くほどエネルギー効率も良い。

今回の試乗では、カタログ値の燃費、 23.7km/Lへ実際に迫ることもできた。走行時のCO2の排出量は、1km当たり100g以下へ収まることになる。

ルノー・クリオ(ルーテシア) E-テック・エスプリアルピーヌ(欧州仕様)
ルノー・クリオ(ルーテシア) E-テック・エスプリアルピーヌ(欧州仕様)

フェイスリフト後のルーテシアの英国価格はまだ発表されていないものの、2023年8月からショールームには並ぶという。ぜひ、エントリーグレードの1.0Lガソリンターボは、2万ポンド(約350万円)を切って欲しいものだ。

今回試乗したトップグレードのエスプリアルピーヌは、2万5000ポンド(約437万円)が予想されている。

ルノー・クリオ(ルーテシア) E-テック・エスプリアルピーヌ(欧州仕様)のスペック

英国価格:2万5000ポンド(約437万円/予想)
全長:4050mm
全幅:1798mm
全高:1440mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.3秒
燃費:23.7km/L
CO2排出量:95-109g/km
車両重量:1238kg
パワートレイン:直列4気筒1598cc自然吸気+電気モーター+ISG
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:1.2kWh
最高出力:145ps/5600rpm(システム総合)
最大トルク:20.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:4速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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