1.2L HVの新型クロスオーバー ルノー・オーストラルへ試乗 燃費は良好 惜しい乗り心地

公開 : 2023.06.30 08:25

Cセグのクロスオーバー、新モデルのオーストラルが登場。HVの効率には優れる一方、乗り心地が惜しいと英国編集部は評価します。

システム総合199psのハイブリッド1択

新モデルのルノー・オーストラルは、全長4510mmというCセグメントのクロスオーバー。従来のカジャーを置き換えるモデルで、英国での販売が控えている。このクラスは、シンプルな成り立ちが好まれることをメガーヌから学び、デザインされたという。

英国で提供されるトリムグレードは3段階あるが、パワートレインは1択のみ。英国価格は3万4695ポンド(約558万円)からで、今回試乗したアイコニック・エスプリ・アルピーヌというグレードは、3万9495ポンド(約636万円)に設定された。

ルノー・オーストラル Eテック・アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル Eテック・アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)

基礎骨格をなすプラットフォームは、ルノー・日産三菱アライアンスによるCMF-C/D。同クラスのクロスオーバー、日産キャシュカイも採用している。

唯一のチョイスとなるパワートレインは、ルノー独自開発のハイブリッドで少々複雑。1.2L 3気筒のガソリンターボ・エンジンに大小2基の電気モーターが組み合わされ、システム総合で199psを発揮する。

一般的な条件では、駆動用モーターが主にオーストラルのボディを動かす。トヨタプリウスホンダシビックのように、ケーブルを繋いで駆動用バッテリーを充電する必要はない。

市街地では80%の時間を電気だけで走れる

内燃エンジンは発電機として仕事をする場面が多く、駆動用モーターとバッテリーに電力を供給し、航続距離を伸ばす。ルノーによると、市街地では最大80%の時間をガソリンを燃やさずに移動できるという。

3気筒ターボエンジンの最高出力は130psで、そこに20psのスターター・ジェネレーター(ISG)が組まれている。トランスミッションは、ドグクラッチを介する5速オートマティックだ。

ルノー・オーストラル Eテック・アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル Eテック・アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)

メインとなる駆動用モーターは、単独で68psを発揮。エンジンとトランスミッションの間にレイアウトされており、別に2段のギアが備わる。駆動用バッテリーの容量は2kWhとなる。

このハイブリッドで得られる燃費は、ベースグレードで21.3km/L。ただし、アイコニック・エスプリ・アルピーヌを選ぶと、20.4km/Lへ若干低下する。CO2の排出量は前者が105g/kmで、後者は110g/kmだ。

試乗車だった最上級グレード、アイコニック・エスプリ・アルピーヌの内容はかなり充実している。リア・サスペンションがマルチリンク式になり、アクティブ後輪操舵システムも装備される。アルミホイールは、スタイリッシュな20インチを履く。

ミドルグレードのテクノ・エスプリ・アルピーヌでは、リアがトーションビーム式に。後輪操舵システムも備わらない。ただし、アルミホイールは20インチとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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