実力だけでなく価格もお高め プジョーE-208 51KWHへ試乗 新ユニットで158psと399km獲得

公開 : 2023.12.02 19:05  更新 : 2023.12.06 08:05

実力が高いことは間違いないが価格も高め

ステアリングホイールの反応はダイレクト。期待通り、手のひらへ自然なフィードバックが伝わってくる。ブレーキペダルのタッチも素晴らしい。狙った通りの制動力が、滑らかに立ち上がる。回生ブレーキとの協調も、しっかり取られているようだ。

他方、プジョーが提唱するiコクピットには、馴染めないドライバーもいるだろう。筆者の身長は173cmだが、メーター用モニターの表示をステアリングホイールの上からすべて見えるシートポジションは、最後まで見つからなかった。

プジョーE-208 51KWH アリュール(欧州仕様)
プジョーE-208 51KWH アリュール(欧州仕様)

座面を持ち上げると、ステアリングコラムが膝へ迫ってしまう。ステアリングホイールはチルトで下げられるものの、これも理想的な操舵には適さない。

荷室は高さ方向に大きく、容量は306L。ただし、内燃エンジン版の方が若干広い。充電ケーブルには専用のバッグが備わるが、荷室の床下へしまうことはできない。

英国価格は、試乗車のE-208 51KWH アリュールで3万4050ポンド(約630万円)から。兄弟モデルといえる、オペルコルサ・エレクトリックの方が、同等の装備でも若干お安い。また内燃エンジンの208なら、1万ポンド(約185万円)もお手頃になる。

実力が高いことは間違いない。しかし、車内空間は広いとはいえず、少ない予算で選べる競合モデルも存在する。お値段や充電の手間を考えると、内燃エンジン版のように、E-208がベストセラー級の人気を得ることは難しいかもしれない。

◯:長めの現実的な航続距離 居心地の良いインテリア 動力性能と運転のしやすさ
△:高めの価格 すべての人に適するとは限らないiコクピット 狭めのリアシート

執筆: マレー・スカリオン(Murray Scullion)

プジョーE-208 51KWH アリュール(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万4050ポンド(約630万円)
全長:4055mm
全幅:1745mm
全高:1430mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.2秒
航続距離:399km
電費:7.2km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1455kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:51.0kWh(実容量)
急速充電能力:100kW(DC)
最高出力:158ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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