クルマ漬けの毎日から

2021.12.20

EVシフトを急ピッチで進めるイギリスでは、2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売は終了します。しかし、この状況に悩んでいるクルマ好きの人たちがいます。どうしたらよいでしょうか?

【クロプリー編集長コラム】EVシフトは歓迎できない! そういう人はどうしたらいい?

もくじ

内燃機関へのこだわり
EVに親しみ、乗ってみよう!

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

内燃機関へのこだわり

クルマが好きな人たちのなかには、EV時代へ急速に向かうことを嫌っていて、この先もEVを好きになれそうもないと思っている人たちがいる。

そして彼らのなかには、AUTOCAR編集部宛にレターを書くよりも、直接私に悩みを打ち明けるほうが良いと考える人たちがいるようだ。

実際多くの方からメールをいただいているが、なぜ私宛なのかといえば、それは私がAUTOCARの最年長だからかもしれない。

この一件について、ある部分では私も彼らに共感できる。

内燃機関のクルマを愛する私たちが、無条件に受け入れなければならない変化は非常に大きく、しかもEVシフトは急加速しているからだ。

それに、価値ある素晴らしいものを私たちは捨てようとしていると、いやな気持ちになることもある。

EVに親しみ、乗ってみよう!

それでも、この状況への対処法として私にいえることは、次のことしかない。

まず、EV時代の到来は避けられないと認めること。そして、できる限りたくさんのEVに親しむこと。

実際に見たり、乗せてもらったり、可能であれば運転してみることだ。私自身もこれをやってきた。

2021年10月、イギリスの南ウェールズのサーキットにEVオーナーが集合。イギリス初となる「EVだけが参加するサーキットデー」が開催された。

その結果わかったことは、自動車メーカーはわずか10年で、まずまず良い実用的なEVをマーケットに数多く送り出してきているという事実だ。だから私は、クルマの未来をとても楽観的に見ている。

それに、これまで以上に魅力的な時代がやって来るとさえ思える。

自動車メーカーは、消費者が必要とする実用性を持つEVを製造するというレベルには、すでに到達している。

彼らの次のステップは、EVの魅力をさらに高めることだ。きっと、良い時代へと進んでいくだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。

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