クルマ漬けの毎日から

2025.04.13

スバル初のグローバルEV「ソルテラ」に試乗しました。トヨタbZ4Xと兄弟モデルのソルテラに「スバルらしさ」は見つかったでしょうか?

スバルのEV「ソルテラ」に試乗【クロプリー編集長コラム】

もくじ

ソルテラ試乗 一石二鳥?
スバルらしさ 探す試乗

ソルテラ試乗 一石二鳥?

自動車ジャーナリストという仕事をして不思議なのは、非常に忙しい事態に陥ると、クルマを運転するのを忘れてしまうこと。自動車ジャーナリストが専門知識を深めるためには、マーケットの全領域のクルマに精通していることが大切なのに。

そういう思いから、最近スバルのイベントに参加した時に、(いまのところ)スバルの唯一のEV「ソルテラ」をお借りしたいとお願いした。

ソルテラはトヨタbZ4Xと同じラインで生産されているが、私はまだbZ4Xを数kmしか運転していない。それで今回のソルテラ試乗は、一石二鳥の機会だと思った。

とはいえ、ソルテラはスバルなので、デュアルモーターの4駆モデルのみのラインナップ。したがってイギリスでは、エントリープライスでも5万ポンド(約900万円)を超える高額となる。

最低地上高が高く、下り坂で機能するヒルディセントコントロールと、4輪の駆動力やブレーキなどをコントロールするX-MODEも装備されている。また内装は、スバルの内燃機関モデルと同様に実用的な雰囲気で、この点も魅力的だ。

スバルらしさ 探す試乗

私にとっての悩みの種は、1充電走行距離が短いこと。気候や交通状況、運転の仕方などすべてが好条件であれば257mile(約414km)と公表されているが、実際には200mileほど(約320km)。

今回試乗したのはこのソルテラ。カントリーサイドの奥深くに住むクロプリー編集長にとって、ソルテラの現在の航続距離ではまだ足りない。

航続距離以外のすべての重要項目では、ソルテラを気に入っている。とくに、品質と乗り心地がよいことに好感を持った。じつのところソルテラは、スバルと提携関係にあるトヨタがスバルの電動化に協力し、誕生している。

しかし、それでもこのEVはやはりスバルだと感じたことが、今回の試乗で一番印象に残っている。純粋にスバルという会社の中枢部から生まれたのではないクルマに、スバルらしさを探しながら私は運転していた。これはなかなか興味深い体験だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

関連テーマ

コメント

 
 

おすすめ記事

 
×