【森口将之が感心】ルノー・キャプチャーに魅惑の選択肢!マイルドハイブリッドは積極的に走れる楽しさアリ

公開 : 2025.06.30 12:00

ガソリンエンジンを積む同クラス輸入SUVを上まわる燃費

一方、今回新たにキャプチャーへ追加されたマイルドハイブリッドは、1.3Lの直列4気筒ターボにアイドリングストップや加速アシスト、減速時のエネルギー回生を行うモーターを組み合わせ、7速エフィシェントデュアルクラッチ(EDC)を介して前輪を駆動している。

キャプチャー・マイルドハイブリッドのシステム図(写真:ルノー・ジャポン)。

エンジンの最高出力は158ps、最大トルクは27.5kg-mで、マイナーチェンジ前のガソリンエンジンより4psアップ、モーターのスペックは5ps/2.0kg-mだ。WLTCモード燃費は17.4km/Lで、ガソリンエンジンを積む同クラスの輸入SUVを上まわる。

さて、今回はこのマイルドハイブリッドをドライブしたが、同じハイブリッドを名乗りながら、フルハイブリッドEテックとはかなりキャラクターが違うことに驚かされた。

Eテックは、凝ったメカニズムからは想像できないぐらい、あらゆるシーンで必要な力をフレキシブルに届ける一方で、日本車のハイブリッドにはないダイレクト感もある。フルハイブリッドなのに高速道路の燃費が良いというのもポイントだ(WLTCモードで24.1lm/L)。

それに比べるとマイルドハイブリッドは、発進ではモーターがアシストしてくれる様子が伝わりつつ、さらに印象的なのはその後に効いてくるターボのパンチ。7速DCTはパドルシフトがあるので、積極的に速さを引き出していける楽しさがある。

今回試乗の舞台になった横浜は、坂道が多く、高速道路もあるので、シーンに応じたメリハリのあるドライビングが求められることになったが、そんなシーンにキャプチャーのマイルドハイブリッドは合っていた。

そして、エンジンを回しギアを変えて走るというスタイルは、僕たちが慣れ親しんだクルマの楽しさそのものなので、前が空くと自然にそういうドライビングになるとも言える。

こうしたシーンで感じたのは、3気筒エンジンを積む輸入コンパクトSUVが増える中、希少な4気筒を積んでいること。回したときのスムーズな吹け上がりや澄んだサウンドは、4気筒エンジンならではだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    内藤敬仁

    Takahito Naito

    1986年よりフリーランスカメラマンとして主に車関係の雑誌、広告の撮影に携わる。趣味は洗車。好きな音楽は1970年代のブリティッシュロック。たまにロードバイクでサイクリンロードを走って風圧と老化に抵抗したりする。

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