デザインも乗り味も円熟の極み 『レンジローバー ヴェラール』は今こそ注目したいミッドサイズラグジュアリーSUV

公開 : 2026.02.27 12:30

時の流れを感じさせない佇まい

そんなヴェラールの登場当時、個人的な第一印象を思い起こせば「ちょっとカッコよすぎるんじゃないの?」というものだった。

見た目に隙がなさすぎて家に迎え入れるイメージが沸かないし、さらっと乗りこなすようなセンスも持ち合わせていない。代々のレンジローバーが培ってきた言語をモードの側へと昇華させたそのルックスは、自分のような凡百にとっては緊張感が伴う敷居でもあったように思う。

登場から8年余、新しい建物も増えて景色が変わりゆく東京の街並みの中にいて、ヴェラールはなお時の流れを感じさせない。一方で、佇まいに当初感じていた気負いがいい感じに抜けて、人懐っこく感じられるようになったのは自分だけだろうか。

インテリアは他のレンジローバー銘柄と同じく、水平と垂直がはっきりと示された奇をてらわない仕立てとなっている。過多過剰な演出でわかりやすく豪奢さを競うモデルが多い中、ここでもまた貫かれるのはミニマリズムだ。

そのぶんマテリアルには自信があるのだろう、取材車はUltrafabrics™&Kvadrat™テキスタイル仕様だったが、安っぽさは微塵もないざっくり&しっとりな触感に、新しいラグジュアリーのかたちを目指すというメッセージが静かに伝わってくる。

ヴェラールのパワートレインはガソリンの『P250』とディーゼルのマイルドハイブリッドとなる『D200』、そしてガソリンのプラグインハイブリッドである『P400e』から選択できる。今回の取材車は、300ps/400Nmの2L直列4気筒ターボと142ps/278Nmの駆動用モーターを組み合わせる『オートバイオグラフィーP400e』だった。

満充電からのモーターのみでのEV走行換算距離(等価EVレンジ)は67kmというから、通勤や買い物といった日常的用途の多くはこちらで賄えるだろう。それでいて価格はガソリンのP250と実質同じというから、戦略的な価格設定であることが伝わってくる。

レンジローバー・ヴェラール 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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