ルノー・ルーテシア 2回目の試乗で明らかに スペックに現れぬ「味わい」

公開 : 2022.02.20 09:35

サイズ感やスペックを越えた「味」

車格とか、金属とかエアといったバネの材質を超越した乗り味。思ったよりもスピードが出ている。

この感覚は僕がかつて所有していたルノー・サンクGTターボによく似ていると思った。

スポーティなだけでなく、クラス最高レベルの上質さも持ち合わせている。

昨今のプレミアムカーでは当たり前になった可変のサスペンションシステムを備えているわけでもないのに、現行ルーテシアは乗り手の心を読んだかのように、うまい具合に硬軟が入り混じる。

結果としてラグジュアリーからスポーティまで幅広い領域をカバーする。

先代でももちろん、ルノーらしい方向性は感じられたが、しかし現行のルーテシアの方が振り幅は確実に広がっている。

ルノーらしいチューニングを施す前段階として、その土台であるボディをしっかりと作り込んでいる。

ADASで同クラスの国産車に肩を並べたことはトピックだが、同時に現行ルーテシアのアドバンテージは体幹の強さにあると思う。

スペックでは計りにくい、けれど色々なシチュエーションで乗っていると見えてくる。

そういう意味ではメディア泣かせなのかもしれない。けれどメディアの人たちがルノーをけっこう選んでいるという矛盾が面白い。

コンパクトなボディにギュッと凝縮された高級感と、飽きの来ないハンドリングを知ってしまうと、きっと虜になってしまう。

ルーテシアには、サイズ感やスペックからは推し測れない味があるのだ。

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記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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