クルマ漬けの毎日から

2026.07.06

フェラーリ・ルーチェに関する記事を新聞で読んでいたところ、さまざまなことが頭に浮かびました。

ルーチェが映すフェラーリの今【クロプリー編集長コラム】

もくじ

苦労せず売れ続けると その先が危ない!

苦労せず売れ続けると その先が危ない!

フィナンシャル・タイムズ紙の週末版に掲載されたある記事を、あれこれ考えながら読んでいた。

その記事は、大富豪の顧客たちがフェラーリ初のEV『ルーチェ』を本当に欲しいと思っているのか、それとも彼らがもっと手に入れたいと望む、限定モデルが将来発売された時のための「購入実績」と考えているのかを考察する興味深い内容だった。

フェラーリ側は、そうした実績をつくることを顧客に促したりはしていない、と強く否定している。

だが、このようなことが過去に起きていたのはよく知られているし、またそういった働きかけはメーカーの責任というだけでなく、ディーラー側が主導している面も多々ある。

フェラーリ・ルーチェ

ルーチェについて、またルーチェへの批判について、さらにフェラーリについて、さまざまな考えが私の頭のなかを駆けめぐっている。

私はルーチェに大いに期待しているし、何よりも実際に運転する日が来るのをとても楽しみにしている。

同時に、発売前の写真と早すぎる評価だけを根拠に、大胆な挑戦を頭ごなしに否定したがる現代のネット評論家がもっと減ってくれたらとも思う。

ルーチェのような大胆なプロジェクトこそが、クルマを進歩させていくのだから。

フェラーリ・ルーチェ

フェラーリに対しては、彼らに不幸が訪れることを望んでいるわけではないが、クルマを売ることの難しさをもう少し味わってもいいのではないかと思う。

注文を受け付けるだけで商品が簡単に売れてしまう状態(かつてポルシェにもそういう時期があった)が長く続くと、やがて新たなモノづくりに悪影響がおよぶからだ。

また、世間で知られている超富裕層のカーコレクターたちは、どれほど自身で考えて判断しているのだろうか?

彼らはみな同じようにフェラーリを買い、同じように限定モデルを追いかけているが、そういうお約束の行動ばかりしていて、本当に楽しいのだろうか。

これには大いに疑問を感じる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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