ロードテスト BMW 1シリーズ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2019.11.09 11:50  更新 : 2019.12.10 16:31

走り ★★★★★★★☆☆☆

鼻先に3気筒を横置きするレイアウトにつきものの問題は、スターターボタンを押した瞬間から感じられる。1.5Lエンジンは大きく息を吐いて目を覚まし、やかましい音と横方向の身震いをクルマ全体に伝えてから、ようやく安定したアイドリングに入る。

スタート直後はやや粗いアイドリングだが、その後はそれほどでもない。洗練性という観点に絞っていえば、少なくともエンジンの回りはじめは納得できるものではない。

ドライブトレインの洗練性はイマイチだが、動力性能は満足できるレベルだ。
ドライブトレインの洗練性はイマイチだが、動力性能は満足できるレベルだ。    LUC LACEY

走り出すと、事態は改善へ向かい、低中速域での加速はずっとスムースなものとなる。ただし、ラフさのあるエンジン音は好きになれないが。不快というほどではないが、魅力的な3気筒にみられる親しみを感じるような音には欠けるのだ。

それでも、パフォーマンスそのものはかなりみごとだ。スタートは力強く、フルパワーでも電子制御によりとっ散らかることはない。118iの0-97km/h加速は8.2秒で、0-100km/h加速が8.5秒というBMWの公称値に偽りはなさそう。また、2017年に計測したよりパワフルなゴルフ1.5TSIエヴォRラインの8.8秒を凌いでいる。

実際、加速テストではことごとく、ゴルフのスコアを上回る。われわれがリアルな数字として重視する48-113km/h加速は7.9秒で、4速固定では11.5秒。ゴルフは8.1秒と12秒だった。

ただしこれには、ゴルフは6速MTで、1シリーズは7速DCTという差の影響もある。この手のトランスミッションとしてはもっとも滑らかだとはいえないし、大小問わず急なスロットル操作への反応はあまりいいものではない。それでも、スロットル負荷が軽めなら、作動ぶりはよくなる。

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