問題はボディコントロール

ドライビングポジションそのものは決して悪くなく、ステアリングも極めて正確でリニアなものだったが、このクルマの問題はボディコントロールにあり、車高を下げたスポーティーなサスペンションが荒れた路面での落ち着きを欠く原因となっていた。

英国のB級路ではドライバーはつねに頭を揺すられるほどの突き上げに見舞われ、高速ではしなやかさに欠けたシャシーも問題だった。

さらに、本来このクルマの1.0Lターボエンジンは圧倒的なパフォーマンスに貢献すべきところ、活気のないサウンドでスポーティーさを感じさせてくれず、それなりの回転域まで回せば必要十分なトルクは発揮するものの、ハーフスロットルからの唐突なトルクの立ち上がりが直観的な操作を難しくしていた。

セカンドオピニオン：日産マイクラ

ほとんどのモデルがハードプラスティックを採用するなか、マイクラのアルカンターラ製ダッシュボードは傑出した存在感を放っており、物足りないドライビング性能が残念でならない。

もっともパワフルなエンジンのひとつを搭載しているにもかかわらず、まったく魅力のないエンジンサウンドが意味しているのは、それほど高回転まで回しても得るものは少ないということだ。

7位：ヒュンダイi20 1.0 T-GDi PLAY

ヒュンダイi20のスペック

実用性を備えた毎日の移動手段という以上の存在ではなく洗練性も足りない。それでもコンパクトハッチとしてi20は悪くない選択肢だろう。

価格：1万5570ポンド（209万2000円）
標準個人リース契約月額：209ポンド（2万8100円）（デポジット：2000ポンド/26万9000円、走行距離：3万9000km/3年間）
販売：販売中
エンジン：998cc直列3気筒ターボ
パワー：100ps/4500rpm
トルク：17.6kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス：5速マニュアル
乾燥重量：1065kg
0-100km/h加速：10.8秒
最高速：188km/h
燃費性能：17.0km/L（WLTP基準）
テスト時燃費：15.3kg/L
WLTP基準CO2排出量：未公表
標準後席レッグルーム：680mm
後席ヘッドルーム：960mm
トランク全長/全幅：640mm、1030mm

予想外の健闘

ヒュンダイの現行ラインアップでわれわれのグループテストに勝利するようなモデルなど存在しておらず、今回もi20の勝利を予想するものなどいないだろう。

だが、2015年の発売当時、同じく登場したばかりのスコダ・ファビアやMG3、シトロエンC4カクタス、そしてダチア・ロガンMCVといった、お手ごろファミリーハッチバックを一堂に集めた際には、おそらくは大方の予想に反して、i20は淡々と他のモデルを圧倒してみせたのだった。

その後、このクルマには新たに3気筒ターボエンジンが導入されているが、負荷が掛るとまるで自らの存在を主張するかのように盛大なサウンドを発するこのユニットは、同種のなかでも決してもっとも洗練されているなどとは言えず、日常使用する中回転域でのトルクも不足している。

だが、そのサウンドやパワーデリバリーの様子からは、思わずこのi20に積まれているのはターボユニットではなく自然吸気エンジンだと思うかも知れない。

一方、キャビンに目を転じれば、i20は広々としたまったく窮屈さなど感じさせない空間を確保しているのであり、充実した装備と快適性まで備えているのだから、その価格を考えれば決して悪い選択肢ではないと言えるだろう。

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