2017年の世界新車販売動向 データで見る市場の「勝ち組、負け組」

公開 : 2018.02.17 17:40

最新の販売動向が示すのは自動車産業の未来に関する興味深い考察です。2017年の数値データをもとに、マーケットの「勝ち組、負け組」を割り出し、2018年の世界自動車販売の動向を探ります。売れるクルマ、売れる場所がおのずと見えてくるでしょう。

text:Julian Rendel(ジュリアン・レンデル)

2017年の自動車販売 中国抜きには語れず

政治的不安定さに象徴される世界で、自動車業界が見せるのは中国新車市場の順調な拡大という変わらぬトレンドである。

2010年、中国は米国に代わって世界最大の自動車市場となり、昨年は販売台数2570万台と米国を800万台上回って、その地位をさらに確実なものにした。中国の新車販売はSUVと小型モデル、更には自国市場特有のEVに集中している一方で、少なくない数のひとびとの間では高級モデルに対する需要が急増している。しかし、米国との違いが際立った昨年の販売実績も、2016年比ではわずか2%増と中国にとっては控えめな結果だったと言える。

米国市場における新車販売は、夏にSUVとピックアップモデルの販売が減速したことで2016年比30万台減の1720万台に留まり、2008年の金融危機後初の前年割れとなった。

なお、ここで紹介する全てのデータは自動車業界の分析を行っているJATOダイナミクス調べによる。ほとんどの数値は実際の年間販売台数だが、いくつかの市場では最終の販売数量確定までに時間を要するため、一部12月の予想数値を使用している場合があることにご留意頂きたい。

販売台数トップ10市場 2017年の勝ち組と負け組

既に中国が世界最大の新車市場として順調に拡大していることは述べたが、対照的に2017年の英国市場は、5.4%減の290万2754台と、経済の不確実性が増したことと、自動車に関する新税導入の影響から、世界で最も販売台数を落とした市場となった。

この販売減もフランスの253万9826台を辛うじて上回ることはできたが、2018年も英国の販売台数が16万6千台減少し、フランスの新車市場が順調な伸びを見せれば、英国が今の地位を保つのは危うくなるだろう。

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