アストン マーティン・ヴァンテージ S(1) 15ps増しのV8ツインターボ 専用シャシーとボディキットで一層スポーティに

公開 : 2026.07.24 18:05

15ps増のV8ツインターボに、一層スポーティなボディやシャシーを得た、アストン マーティン・ヴァンテージ S。更なる速さと音響的な喜びを得つつ、存分に運転を楽しめる懐の深さは相変わらずです。UK編集部が試乗します。

ボディやシャシーを一層スポーティに仕立てたS

大改良後のアストン マーティンヴァンテージへ2024年に試乗したAUTOCARは、これ以上の変化を想像し難かった。完全に新設計された4代目の延長にありつつ、あらゆる面で明らかな進化を遂げていたからだ。

だが顧客の心を誘うには、定期的な改良や新たな仕様が必要になる。そこで、DBX SやDB12 Sに続いて登場したのが、ボディやシャシーを一層スポーティに仕立てたヴァンテージ S。通常のヴァンテージも、提供は続けられる。

アストン マーティン・ヴァンテージ S(英国仕様)
アストン マーティン・ヴァンテージ S(英国仕様)

現行型は、同社が掲げた「セカンドセンチュリー・プラン」で2018年に誕生したもの。アルミ材を接着したアーキテクチャーを採用し、メルセデスAMG由来のパワートレインを搭載するのは、最新版でも変わらない。

アストン マーティンによれば、走りを磨きつつ、快適性や洗練性に犠牲は及んでいないという。それは本当なのか、グレートブリテン島の傷んだ道で確かめる価値はある。

680psのV8ツインターボに専用サス

エンジンは4.0L V8ツインターボで、通常のヴァンテージの最高出力が665psなのに対し、Sでは680psへ上昇。最大トルクは81.6kg-mで同値ながら、0-100km/h加速は0.1秒短縮している。ZF社製8速ATは専用開発され、電子制御LSDがリアに構える。

前がダブルウィッシュボーン、後ろがマルチリンクのサスペンションは再設計。ビルシュタイン社製アダプティブダンパーは、設定が改められた。

アストン マーティン・ヴァンテージ S(英国仕様)
アストン マーティン・ヴァンテージ S(英国仕様)

リアのサブフレームは、ゴムブッシュが省かれ直接的にマウント。リアのヘルパースプリングは、快適性を保つためソフトに振られ、8速ATのマウントも10%柔らかい。

ブレーキはスチール製ディスクが標準で、直径は前が400mm、後ろが360mm。試乗車には、前が410mmになる、カーボンセラミック・ディスクが組まれていた。車重は実測で1750kgと、期待ほど軽くない。前後の重量配分は50:50で、理想値といえる。

ボディキットと差し色で控えめに差別化

見た目の差別化は控えめだろう。ボンネットのエアアウトレットにブレードが追加され、アンダースポイラーは差し色のピンストライプで彩られる。

リアのリップスポイラーは、最高速時に44kgのダウンフォースを生成。フロント側は、スカートやアンダーカバーで67kgを得ている。これらの付加物は、本来の優雅さを損なっているかもしれないが、魅惑的な佇まいにあると思う。

アストン マーティン・ヴァンテージ S(英国仕様)
アストン マーティン・ヴァンテージ S(英国仕様)

アルミホイールは、通常と同デザインの21インチながら、差し色で差別化もできる。真鍮とガラスで作られるSバッジは、英国ヴォートンズ社の職人による手仕事とのこと。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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