次期型 BMW M3のリアエンドが見えた 現行M3 CSを上回る性能を目指す

公開 : 2019.11.14 10:10  更新 : 2019.11.14 10:36

カモフラージュのない次期型BMW M3の写真を入手しました。現行型より軽量化しつつボディ剛性は向上。パワーも増強される見込みです。そして次期M3は、ハイブリッドなど電動化技術を搭載しない最後のモデルとなりそうです。

現行より軽量でパワフルに

text:Greg Kable( グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
次期型BMW M3は2020年に発表予定だが、BMW専門ショップのフェイスブック・アカウントに、次期M3の写真がアップされた。偽装のない姿を目にするのは今回が初めてだ。撮影された写真は製造ライン上のようで、今まではっきりしていなかったデザインを確認できる。

写真から判断すると、標準のG20型BMW 3シリーズからの変更点は、トランクリッドのスポイラーにワイドフェンダー、黒いプラスティック製のバンパー下トリムなど。トランクリッド自体のデザインも変更されているようだ。

次期型BMW M3プロトタイプ
次期型BMW M3プロトタイプ

M3定番の太い4本出しマフラーも付いている。大型のリアディフューザーが装着されるはずだが、それはまだ取り付けられていないようだ。

われわれも期待を寄せる次期型のM3には、3.0L直列6気筒ツインスクロールターボ・エンジンを搭載。大幅にアップデートを受け、最高出力は500ps程度まで高まると考えられる。

BMWの取締役会会長、ハラルド・クルーガーは、2018年のパリ・モーターショーでM3の開発が進んでいることを認めていた。詳細に触れることはなかったが、BMWのエンジニアの話では、現行のM3 CSの460psを上回るパワーを目標としているという。

追加となる馬力は、M4 GTSに採用されている水噴射システムなどによって獲得する模様。シリンダー内の温度を下げ、燃焼効率を高めることが可能となる。パッケージング上の障害もあったと思われるが、既に克服されたのだろう。

ハイブリッドを搭載しない最後のM3

水噴射システムの搭載に伴う車両増は最小限。1585kgのM3 CSより軽量化するという目標の足かせとなる可能性も低い。ルーフパネルなどをカーボンファイバー製の軽量なものに置き換えるだけでなく、G20型3シリーズの基本骨格の軽さも貢献している。

搭載される4輪駆動システムは現行のM5との共通性が高い。だが、車重の増加や機構の複雑さ、コストなどの面で、ハイブリッドを含む電動化技術の導入は見送られている。

次期型BMW M3プロトタイプ
次期型BMW M3プロトタイプ

一方で2020年に発表となる次期型M3は、電動化技術を搭載しない最後のM3となるようだ。BMW全体での二酸化炭素排出量を減らす目標達成の優先度から、避けられないのだろう。

パフォーマンスの具体的な情報は明らかではない。それでも軽量でパワフルになる新しいM3は、現行型M3 CSの0-100km/h加速3.9秒を上回る鋭さを得ることは間違いなさそうだ。

トランスミッションは6速MTか8速ATがラインナップされるだろう。ローンチコントロール・システムも内蔵し、スタートダッシュの性能は引き上げられるはず。

次期型M3は、高張力鋼とアルミニウムを適材適所で用いた、新プラットフォームのCLARストラクチャを採用。優れたボディ剛性も獲得する。BMW 3シリーズが、クラス最高のパフォーマンス性能を獲得している理由でもある。

M3にはアップグレードされたサスペンションと、より幅の広いトレッドが与えられる。ダイナミクス性能を向上させるにあたり、エンジニアが既に得ているアドバンテージは高い。

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