電動アクスルのリアルサウンドを車内へ伝達 フェラーリ初のEV『ルーチェ』正式発表(2) 4基のモーターで合計1050ps
公開 : 2026.05.26 16:25
フェラーリが新型EV『ルーチェ』の外観と仕様を公開しました。5人乗りの5ドア・ハッチバックで、同社初の市販EVとなります。これまでになかったデザインと、合計出力1050ps、航続距離530kmを実現しています。
リアバイアスのパワートレイン
新型『ルーチェ』の4基の電気モーターは、システム合計で1050psの出力と最大102kg-mのトルクを発生する。リアバイアスのチューニングとなっており、後輪のモーターが843psと52kg-mを、前輪のモーターが285psと28kg-mを生み出す。
ラジアルフラックス方式の永久磁石同期モーターは、フェラーリのGTレーサーやハイパーカー『F80』の駆動系を基にしたものだ。フロントモーターは最大3万rpmまで回転可能だが、リアモーターは外径が大きく、ギア比が異なり、後輪のホイール径も大きいため、最大回転数は2万5000rpmにとどまる。フロントのモーターおよびトランスミッションモジュールの重量はわずか65kg、リアは約130kgだ。

各ホイールに1基ずつモーターを備えることで、細やかなトルクベクタリングを行い、アジリティや安定性を向上させている。また、フロントモーターは航続距離重視のドライブモード「レンジ」では切り離されるが、それ以外の「ツアー」および「パフォーマンス」モードでは常に作動した状態となる。
15個のバッテリーモジュールを分散配置
重量630kgのバッテリーはマラネロで設計・生産され、車体のフロアパネルに組み込まれる。韓国のSKオン社と共同開発されたこのバッテリーは、210個のセルを直列接続し、1モジュールあたり14個で構成される。モジュールは全15個あり、13個は床下に、2個は後部座席の下に配置されている。
最大放電出力は830kW、800Vで総容量122kWhだ。最大充電速度は350kWとされるが、フェラーリによれば20分で70kWhを充電可能だという。

バッテリーパックを自社生産していることから、必要に応じて、たとえ数十年後であっても、最新技術をパックに取り入れることができるという。これは、現在『ラ・フェラーリ』のバッテリー向けにF80由来のパックを提供しているのと同様の仕組みだ。
史上最も「快適な」フェラーリに
ルーチェの車両重量は2260kgだが、『プロサングエ』より重心が95mm低く、ヨー慣性モーメントは15%小さい。前後重量配分は47:53。
フェラーリ史上最大のホイールを装着しており、フロントは23インチ×9.5J、リアは24インチ×11Jとなっている。軽量な5本スポークのアルミホイールか、より空力効率に優れたタービンデザインの2種類のデザインから選択可能だ。サプライヤーであるピレリ、ミシュラン、ブリヂストンからは、ノーマルタイヤ2種類、冬用タイヤ2種類、ランフラットタイヤ1種類が用意される。

製品開発の最高責任者ジャンマリア・フルゲンツィ氏は、ルーチェが「これまでに生産された中で最も快適なフェラーリ」になると述べている。サスペンションは前後ともにダブルウィッシュボーン式で、プロサングエで初採用された48Vマルチマティック・トゥルーアクティブ・スプールバルブダンパーの進化版を装備。内部のボールスクリューのピッチが20%拡大されており、垂直方向の衝撃をより効果的に吸収するほか、1セットあたり0.5kg軽量化されている。
一方、ドライビング・エクスペリエンスは格別なものになるという。テスト責任者のラファエレ・デ・シモーネ氏は、「その挙動は、想像もつかないでしょう。まったく新しい感覚です」と述べた。

























