フェラーリ初のEV『ルーチェ』正式発表(1) 元アップルのデザイナーによる革新的スタイル 価格は55万ユーロに?

公開 : 2026.05.26 16:20

フェラーリが新型EV『ルーチェ』の外観と仕様を公開しました。5人乗りの5ドア・ハッチバックで、同社初の市販EVとなります。これまでになかったデザインと、合計出力1050ps、航続距離530kmを実現しています。

全長5m、5ドア、5人乗りの市販EV

フェラーリは、新型EV『ルーチェ(Luce)』の外観デザインと技術仕様を公開した。同社にとって2台目の5ドア車(プロサングエに次ぐ)であり、初の5人乗りモデルとなる。納車開始は2027年初頭の予定で、欧州向けの価格は約55万ユーロ(約1億円)と予想されている。

新型ルーチェは4基の電気モーター(各輪に1基ずつ)を搭載し、合計1050psを発生。122kWhのバッテリーにより、1回の充電での航続距離は最大530km(WLTP推定値)となる。

フェラーリ・ルーチェ
フェラーリ・ルーチェ    フェラーリ

性能面では、0-100km/h加速2.5秒、0-200km/h加速6.8秒とされ、フェラーリ史上最も加速力の高いモデルの1つとなる。最高速度は310km/hに達する。

また、ボディサイズも同社史上最大だ。全長5026mm、全幅1999mm、全高1544mm、ホイールベース2961mmとなっており、プロサングエより53mm長く、45mm低い。

革新的な発想に基づくデザイン

ルーチェのデザインは、主にデザイン会社LoveFromによるものだ。同社はアップルのiMac、iPhone、iPadのデザインで知られる工業デザイナーのジョニー・アイブ氏と、同じくアップル出身のデザイナーであるマーク・ニューソン氏によって設立された。

フェラーリはこれまでピニンファリーナ、ベルトーネ、ザガートといったデザイン会社を起用してきたが、LoveFromとの関係により革新的な発想がもたらされたという。

フェラーリ・ルーチェ
フェラーリ・ルーチェ    フェラーリ

米サンフランシスコと英ロンドンにスタジオを構えるLoveFromは、イタリア・マラネロのフェラーリ本社にもメンバーを常駐させていた。

ニューソン氏はルーチェの発表会で、「わたし達は過去6、7年間、フェラーリと密接に協力してきました。フェラーリの組織に完全に溶け込んでいると言っても過言ではないでしょう」と語った。

ルーチェは5ドア・ハッチバックで、観音開き方式のドアを採用。キャビンを重視した設計で、運転席からフロントアクスルまでの距離は296 GTBと同じであり、広い室内空間を実現している。

フェラーリでは通常、ダウンフォースに重点が置かれるが、ルーチェではむしろ空気抵抗の低減に重点が置かれている。全体のデザインテーマは2ピース構造を彷彿とさせるもので、黒いガラスのようなキャビン部分をカラーの外殻で包んでおり、『12チリンドリ』とよく似ている。

ニューソン氏は「ガラスハウスと呼ぶこともできますが、わたし達は『パッセンジャーセル』と呼んでいます。これらは本質的に結びついていますが、わたし達はそれぞれ別のデザイン要素として捉えることを善としています」と語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

フェラーリ初のEV登場!その名は『ルーチェ』の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事