メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス GT 4ドアクーペにもトップパフォーマンスモデル追加

公開 : 2024.01.28 11:45

回生ブレーキとエンジンユニットは?

回生ブレーキの強さは4段階選択式

高性能バッテリーが直接冷却により約45℃の最適な温度範囲に常に保たれることで、回生ブレーキについても最適化が可能となったと語る。通常のシステムでは、回生ブレーキのレベルが高くなるとバッテリーの温度が大きく上昇することから、回生量を制限しなければならないことが難点となっている。

回生ブレーキは、アクセルから足を離す、すなわちブレーキペダルを踏まない空走状態でスタートする。このときバッテリーが充電されることで大きな制動力が発生し車両は減速できるので、摩擦ブレーキによるブレーキパッドの摩耗が軽減される。

メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス

また、回生ブレーキの強さや交通状況によっては、摩擦ブレーキをまったく使わずに制動できる場合もあるという。回生ブレーキの強さは4段階に分かれており、右側のAMGドライブコントロールスイッチで切り替えることが可能となる。

これは「スリップリー」モード以外のすべてのドライブモードに適用されるもので、選択されているドライブモードに応じて異なる設定でエネルギー回収が行われる。

また、ドライブモード「レース」の際には、回生ブレーキの強さが自動的に標準設定になり、限界域においてドライバーがコントロールしやすいブレーキ性能を実現すると付け加えた。

ツインスクロールターボチャージャーを2つ搭載したAMG 4L V8ツインターボエンジン

GT 63 S Eパフォーマンスが搭載するAMG 4L V8ツインターボエンジンは、最高出力639ps/最大トルク91.77kg-mのパワーユニットだ。加えて最大トルクを2500~4500rpmと広い回転域で発生する。

こうした特性により、発進時点から32.63kg-mの最大トルクを発生する電気モーターとの相性抜群なエンジンとなっているという。高出力の実現にも寄与する2個のツインスクロールターボチャージャーは、低回転域での最適なレスポンスと、中高回転域での力強いパワーの伸びを両立させると付け加えた。

また、タービンハウジングが2つに分割され、並行するフローポートとなっており、これに加えてエグゾーストマニホールドも2本に分かれているため、タービンホイールに働く排出ガスの運動量を個別に制御することが可能となっていると話す。

一方のエグゾーストマニホールドには、同一シリンダーバンクの1番目および2番目のシリンダーからの排気が、他方には3番目および4番目のシリンダーからの排気が、それぞれ供給され、シリンダー間の相互干渉を防いでガスサイクルを改善するためのもので、これにより排圧が低減され、排気の抜けが改善される。

電装品に電力を供給するBSG

BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)は、ジェネレーターとスターターを1つのモーターに統合したもので、出力は10kW(14ps)となっている。

エンジンを始動させるほか、例えば、赤信号停車時に高電圧バッテリーの充電レベルが低電圧の車載電気システムをサポートするのに十分でない場合などに、クライメートコントロールやドライビングライトなどの電装品に対して基本的な電力を供給し、この BSGは400V高電圧電気システムに組み込まれているため、レスポンスがきわめて良好となるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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