ボディパネル75%以上カーボンコンポジット! ランボルギーニ・ウラカンSTO コファンゴも採用

公開 : 2024.03.13 17:45

サーキットでの印象

しかし、ウラカンSTOが本領を発揮する舞台は、なんといってもサーキットである。私は一度だけ、STOで富士スピードウェイを走行したことがあるので、そのときの印象をここでお届けしよう。

STOならではの軽快さや反応の鋭さはサーキットでも存分に満喫できる。ただし、私にとってとりわけ印象的だったのは、後輪がスライドしてからのコントロール性だった。

ランボルギーニ・ウラカンSTO
ランボルギーニ・ウラカンSTO

ドライビングモード切り替え「アニマ」のストラーダは公道向き、コルサはサーキット向きで、どちらも不用意なテールスライドを抑制して安定したドライビングを可能にする設定。そのなかで、ストラーダは快適性重視、コルサはパフォーマンス重視という違いがある。

いっぽうのスポルトはキャラクターが大きく違って、積極的にテールを振り出してドリフト走行を楽しめるセッティングとされている。私が富士でSTOのテールスライドを楽しんだのも、このスポルトを選んだときのこと。コーナーに進入するスピードを徐々に上げていけば、あるところからスムーズにテールが流れ出し、勇ましいドリフトの姿勢を簡単に作り出せるのだ。

しかも、STOは後輪駆動でありながら、テールスライドの状態でもしっかりとトラクションがかかるうえ、そこから体勢を立て直すのも容易なのだから恐れ入る。この辺のコントロール性は、4WSやトルクベクタリングなどを統合制御することで実現したものだろうが、電子制御による不自然さを一切感じさえないところもウラカンSTOの魅力といえる。

ガヤルド以降のベイビー・ランボは4WDを基本としてきた。そこで培ったドライビングダイナミクスの知見を、後輪駆動でここまで昇華させたランボルギーニの技術力には畏敬の念を抱かずにはいられない。

試乗車のスペック

価格:4125万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4547×1945×1220mm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃料消費率:13.85L/100km(WLTP)
CO2排出量:331g/km(WLTP)
駆動方式:MR
車両重量:1339kg
パワートレイン:V型10気筒5204cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:640ps/8000rpm
最大トルク:57.61kg-m
ギアボックス:7速オートマティック
タイヤサイズ:245/30R20(フロント)305/30R20(リア)

ランボルギーニ・ウラカンSTO
ランボルギーニ・ウラカンSTO

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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