ホンモノの「ラテン気質」で誘惑! アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオへ試乗 520psへ上昇

公開 : 2024.03.23 19:05

熱い運転体験を想起させるインテリア

インテリアは、適度に暗くシリアス。エキサイティングな運転体験を想起させる。製造品質はアウディポルシェに匹敵するとはいえないが、低くはない。8万7195ポンド(約1648万円)の英国価格を、納得させる仕立てだ。

ダッシュボードとドアパネルにはレザーが用いられ、艷やかなカーボン製トリムで飾られる。アルミ製シフトパドルは、見た目も触感も好ましい。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ(英国仕様)

シフトレバーやステアリングコラム、ボタン類など、若干安っぽく見える部分も存在はする。ステアリングホイールは、前後方向の調整域が広ければ望ましいが、全体的な印象は優れる。

ダッシュボード中央には、8.8インチのタッチモニター。アルファ・コネクトと呼ばれるインフォテインメント・システムが稼働し、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応する。

センターコンソールには、BMWのiドライブ風コントローラーが備わる。画面のメニューはシンプルで、タッチモニターでの操作もしやすい。

車内の広さは合理的。フロントシートは大きさにゆとりがあり、座り心地に優れる。ドライビングポジションは、このクラスのSUVとしては低め。背もたれの角度は、倒れ気味といえる。

リアシートにも不満ない空間はあるものの、期待以上に広いわけではない。荷室容量は約500Lだ。

2024年でも素晴らしいV6ツインターボ

さて、実際に発進させてみよう。試乗日は肌寒く、路面は濡れていたが、レース・モードを選択。トラクション・コントロールを切り、8速ATをマニュアル・モードに。ブレーキペダルを左足で踏み、アクセルペダルを軽く傾け2000rpmを保つ。

この状態で左足を放すと、ローンチコントロールなしでも、全力加速を引き出せる。一瞬リアタイヤがスピンしかけたが、怒涛のスタートダッシュを披露してくれた。大人2名が乗った状態での0-100km/h加速は、3.9秒だった。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ(英国仕様)

V6ツインターボエンジンは素晴らしい。中回転域でのトルクは豊かで、シフトダウンせずとも迅速。5000rpmから7000rpmにかけて、爆発的にエネルギーが放出される。

オプションのアクラポヴィッチ・エグゾーストを組めば、情熱的で攻撃的なサウンドを撒き散らす。2024年でも最高のユニットだ。

8速ATの変速は、マニュアル・モードでは即時的。Dのままだと、稀に変速に悩むような仕草も見られるが、アクセルペダルの角度を読み取ってくれ、扱いにくさはない。

ブレーキはバイワイヤーで制御。ペダルへ伝わる感触が乏しく、反応が一貫しない場面もあった。オプションのカーボンセラミック・ディスクでも、印象は良くならない。

操縦性も素晴らしい。機敏で正確に反応する。小さくない質量を巧みに隠しつつ、コーナリングは落ち着きがあり、刺激的でもある。

DNAドライブモードは、ステアリングやダンパー、スタビリティ・コントロールの特性を変化させ、運転体験の幅を広げる。乗り心地は、基本的にかなり硬めだが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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