アルファ・ロメオ 8C 2900B「バレーナ」(3) ブロワーの悲鳴と重なるツインカム・ノイズ
公開 : 2025.05.09 18:07
直列8気筒エンジンの最後の輝き
機会が許すなら、8C 2900B ル・マン・ベルリネッタと、この8C 2900B コルサ・スペリメンターレの2台を、風洞実験にかけて欲しいと筆者は思う。流線型ボディの空力比較は、きっと興味深いものになるだろう。
戦後、オラツィオ・サッタ・プリーガ氏が4気筒と6気筒でブランドの立て直しを図る中で、8C 2900は1つの時代を締めくくる存在になった。歴史を重ねたアルファ・ロメオの直8エンジンは、最後の輝きを放ったといえる。

最後の栄冠を掴んだのは、1947年だった。スーパーチャージャーなしの、10年落ちのトゥーリング・クーペで。戦後初となったミッレ・ミリアを競い、戦火に焼かれたイタリアに歓喜を与えている。
協力:エバート・ラウマン氏、クイーニー・ラウマン氏、ジェームズ・ウッド氏