アルファ・ロメオ 8C 2900B「バレーナ」(3) ブロワーの悲鳴と重なるツインカム・ノイズ

公開 : 2025.05.09 18:07

直列8気筒エンジンの最後の輝き

機会が許すなら、8C 2900B ル・マン・ベルリネッタと、この8C 2900B コルサ・スペリメンターレの2台を、風洞実験にかけて欲しいと筆者は思う。流線型ボディの空力比較は、きっと興味深いものになるだろう。

戦後、オラツィオ・サッタ・プリーガ氏が4気筒と6気筒でブランドの立て直しを図る中で、8C 2900は1つの時代を締めくくる存在になった。歴史を重ねたアルファ・ロメオの直8エンジンは、最後の輝きを放ったといえる。

アルファ・ロメオ 8C 2900B コルサ・スペリメンターレ「バレーナ」(1941年式/ワンオフモデル)
アルファ・ロメオ 8C 2900B コルサ・スペリメンターレ「バレーナ」(1941年式/ワンオフモデル)    ジェームズ・マン(James Mann)

最後の栄冠を掴んだのは、1947年だった。スーパーチャージャーなしの、10年落ちのトゥーリング・クーペで。戦後初となったミッレ・ミリアを競い、戦火に焼かれたイタリアに歓喜を与えている。

協力:エバート・ラウマン氏、クイーニー・ラウマン氏、ジェームズ・ウッド氏

記事に関わった人々

  • 執筆

    ミック・ウォルシュ

    Mick Walsh

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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