F1グランプリ第1戦 オーストラリアGP ーー メルセデスの完全勝利

公開 : 2015.03.15 22:50  更新 : 2017.06.01 02:10

レッドブルからフェラーリに移籍したベッテル、ホンダ・ユニットの復活とアロンソのマクラーレン・ホンダへの参加、カルロス・サインツJr、マックス・フェルスタッペンという有望な2人のジュニアの参戦など、今シーズンのF1グランプリもポスト・シーズンから話題となる幾つかの出来事があった。

そのF1グランプリの2015年シーズンの開幕戦が、3月15日、南半球オーストラリアのメルボルンで開幕した。

フリー走行から予選まで圧倒的な強さを見せたのは、ヘレス、カタロニアという2つのプレシーズン・テストで圧倒的な強さを見せたメルセデス勢だった。実際、予選でもメルセデスの2台は他をよせつけないタイムを叩き出し、早くも決勝レースはトラブルさえなければメルセデスの1-2は確定で、誰が3番手に付けるかに絞られたような感すらあった。その予選2列目のグリッドの最有力候補は、ベッテルとライコネンという2人のワールド・チャンピオンを擁するフェラーリだったが、それを阻止して予選3番手に付けたのはウイリアムズのマッサだった。

快晴の下で行われたオーストラリア・グランプリ決勝。腰痛が原因で欠場のウイリアムズのボッタス、マシンのセッティングが間に合わなかったマルシャの2人が決勝レースへ不参加、また、アロンソの代打として急遽開幕戦を戦うことになったマグネッセンとレッドブルのクビアトの2人も決勝当日のグリッドに着く寸前にマシン・トラブルでスターティング・グリッドにマシンを並べることができなかった。従って、グリーン・シグナルを見ることができたのは僅かに15台という些か寂しいグランプリとなった。しかもオープニング・ラップでロータスのマルドナドがクラッシュ、そのとばっちりを受けた同僚のグロージャンも1周もすることなくリタイアとなった。

オープニング・ラップからセーフティカーが入った今年の開幕レースだったが、ペースカーが抜けた直後から、ポール・ポジションのハミルトンが終始レースをリード。1回もその順位を明け渡すこともなくフィニッシュした。2番手には同じメルセデスの同僚、ロズベルグ。ハミルトンとは大きく離れることなく、1〜3秒以内でトップを追ったが、最後までハミルトンに追いつくことはなかった。

3番手には序盤は4番手を走り、第1スティントのタイヤ交換でマッサを交わして浮上したフェラーリのベッテルが入った。しかし、メルセデス勢との差は30秒以上と明らかに力の差を感じるものであった。4番手にはそのマッサが入り、5番手にはザウバーのナッセが入った。昨シーズン1ポイントもとれなかったザウバーは新人のナッセが5番手、エリクソンも8番手と初戦にしてダブル入賞を果たした。

もう1台のフェラーリ、ライコネンは、5番手を走行していたが、40周目のタイヤ交換で左リア・タイヤが正常にセットされないままピットアウトしたため、コース上でストップしてしまいそのままリタイアという結果になった。

注目のマクラーレン・ホンダは、予選のQ3でノック・アウトされたことからもわかる通り、完全に実力不足。1周が1分30秒程度の比較的短いコースであったにもかかわらず、トップとの差は1周につき4〜5秒前後。元チャンピオンのバトンにしても、どうにか走り切ることが精一杯で、トップのハミルトンから2周遅れ。完走11台の中、最下位の11位でフィニッシュした。しかし、プレシーズンのテストでもまともに走ることができなかったマクラーレンにとって、レース・ディスタンスを最後まで周回できたということは、今後に繋がるデータが収集出来たという大きな収穫だったと、レース後のコメントでもバトンは語っていた。久しぶりに復帰したパワー・ユニットで簡単に上位に食い込めるほど、F1は甘くないといったところだろうか。今後の確実なステップアップに期待したい。

次戦は2週間のインターバルを置いて、3月29日、セパン・インターナショナル・サーキットで行われるマレーシア・グランプリとなる。

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