日産マイクラ(マーチ) 52kWh(1) ルノー5 E-テックと双子のきょうだい 丸目のボディと上質内装で違いアピール

公開 : 2026.04.30 18:05

ルノー5 E-テックとの技術共有で誕生した、新型マイクラ(旧マーチ)。より若者受けしそうな見た目で、上質な内装を包み、少し前のホットハッチ級な動力性能を秘めます。UK編集部の評価とは?

ルノー5 E-テックと実質的には双子のきょうだい

日産の小さなハッチバック、マイクラ(旧マーチ)は、重要な役割を担ってきた。信頼性やコスパの高さを初代から叶え、欧州市場では日本車の定評を築くのに貢献。2代目は英国でも生産され、日産の人気を支えた。

21世紀の3代目も、魅力的だった。上品にカーブを描いたスタイリングを、オシャレに感じた人は多かった。ところが日産ジュークの登場で、4代目の市場は奪われる。生産拠点はタイやフランスへ移され、少し迷走している感は否めなかった。

日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)
日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)

しかし、歴代初となるバッテリーEVとなって、マイクラは再生を目指す。評判のすこぶる良い、ルノー5 E-テックと技術を共有して。

5代目マイクラも、ルノー・クリオ(ルーテシア)と近い関係にあったが、新世代は更に接近。5 E-テックと、実質的には双子のきょうだいと表現できるだろう。全長や車重は僅かに異なるが、ホイールベースや全高は一致する。

より力強く若者受けしそうなスタイリング

ボディシェルは同一で、ユーロNCAPの衝突安全性テストは、5 E-テックの結果を流用できたほど。それでも、丸いライトやフェンダーの造形、ボディサイドのくぼみなど、特徴的な処理で差別化は図られている。より力強く、若者受けしそうに見える。

バンパーやサイドシル、ホイールアーチには、グロスブラックのトリム。使い勝手重視な、ツールのような雰囲気も生み出されている。

日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)
日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)

それでも、ステランティス・グループの技術を共有するモデル群と比べると、既視感が強いことは事実。その結果、マイクラの存在感が薄まったことは否定できないだろう。技術的な功績の中心役はルノーだったのか、日産だったのかは想像するしかないが。

シャシーはスチール製モノコック。フロントに122psか150psの他励同期モーターを搭載する前輪駆動で、駆動用バッテリーはLFPセルの40kWhか、NMCセルの52kWhかを選べる。サスペンションは、前後とも独立懸架式となる。

従来的で上質な印象のインテリア

インテリアも、ダッシュボードの素材が異なるものの、概ね5 E-テックと共通。筆者は既にルノーのきょうだいへ試乗していたから、目新しく感じる部分は多くなかった。とはいえ、マイクラの方が従来的で上質な印象を受ける。

上位グレードの場合、グレー単色ではなく、オーディシャス・ブルーの人工皮革内装を指定可能。間接照明も、効果的に雰囲気を引き立てている。

日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)
日産マイクラ(旧マーチ) 52kWh(英国仕様)

運転姿勢は、このクラスのハッチバックとしては優秀。座面は高すぎず、シートの調整域は広い。シフトセレクターがステアリングコラムから伸び、回生ブレーキ用パドルがステアリングホイールの裏にあり、操縦系の配置も望ましい。

ステアリングボス周辺には、ドライブモードとオーディオ、クルーズコントロール用のボタン。運転支援システムのカスタム設定ボタンや、エアコンの操作パネルも独立し、物理スイッチで操れるのがうれしい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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