トヨタ・ミライ

公開 : 2015.04.02 23:50　　更新 : 2021.01.28 18:23

ただし、何度体感しても瞬時に訪れる加速感はやみつきになる。100km/h手前の速度域に達するのは、まさにあっという間のことで、特有のキャラクターはないが、瞬発力に思わず声をあげてしまう。

正直に意見を述べるならば、ミライの抱える重さが常に付きまとうのも事実。制限速度が低い日本の道路状況ならば気にならないかもしれないが、英国の道路を走るかぎり ’身軽’ と表現するのは迷うレベルである。

ただ、終始重ったるく感じないのは、前後重量配分が優れるゆえだろう。これに加えて、操舵に対する車輪の反応が素早い点も、われわれの評価点を稼ぐ結果となった。

■「買い」か?

サルーン型、そして大きい、さらに前輪駆動という点を考えればさしたる強みはないようにも感じるが、これを技術革新と結びつけると、途端に高い競争力をもつ。

現時点では、当初の生産目標であった400台から700台に引きあげているが、トヨタは2017年までに3000台を売りあげたいとしている。

未来に及ぼすであろう多大なる影響から考えれば、ささやかなスタートではあるが、今後の技術発展を見守っていく価値はありそうだ

(ヒルトン・ホロウェイ)