同じエンジンで同じ価格!マツダCX-30とCX-5、買うならどちらか?(中編) 裏テーマは3代目の再検証【日本版編集長コラム#107】

公開 : 2026.11.08 12:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、『日本版編集長コラム』です。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第107回はマツダCX-30とCX-5の話、その中編です。

偶然にも試乗会と同じ車両

同じエンジン、すなわち2.5L直列4気筒マイルドハイブリッドである『eスカイアクティブ2.5』を搭載する『マツダCX-30 25エアエディション』(2WD)と『マツダCX-5 G』(2WD)が同じ価格、すなわち352万円であることに端を発する本稿。その続きである。

前回は『CX-30 25L』(2WD)を取材。入れ替えで乗ったのは『CX-5 L』という上級グレードであった。価格は2WDが407万円とGグレードより55万円高で、取材車の4WDは430万6500円となる。

入れ替えで借りた『マツダCX-5 L』。ボディカラーは新色のネイビーブルーマイカ。
入れ替えで借りた『マツダCX-5 L』。ボディカラーは新色のネイビーブルーマイカ。    平井大介

ボディカラーはネイビーブルーマイカで、この新型CX-5から始まった新色。『明るいところは鮮やかなブルーに、暗いところは深く美しいネイビーに見える表現』を目指したそうだが、確かに取材期間中は様々な表情を見せてくれた。

実はこれ、5月に取材した試乗会時と同じ車両であった。グレードだけ指定してお借りしたので全くの偶然だが、その時もいい色だと思ったのですぐにピンときた。そして偶然とはいえ、今回の取材テーマを検証するには最も適した車両が巡ってきたのだ。

本稿のタイトルは、『同じエンジンで同じ価格!マツダCX-30とCX-5、買うならどちらか?』だが、実はその裏テーマとして、『CX-5再検証』を掲げていたからである。

正直に書けば、試乗会での第一印象はあまりよくなかった。ただしその時は助手席が主で、終盤、少しだけステアリングを譲って頂いた程度。これは時間を作ってちゃんと乗りなおさねば……と思っていたのだ。

マツダの屋台骨を支えてきたベストセラー

昨年欧州で初公開され、日本では5月に発売された3代目となる新型CX-5。2011年の初代登場以来ベストセラーモデルとしてマツダの屋台骨を支え、3代目も好調な出足が伝えられる。CX-60やCX-80といったラージSUVが展開される中、新型の立ち位置をどうするか気になっていたが、結果的にはこれまでの延長線上で作られた。

本稿を執筆するにあたり取材メモを読み返していたところ、今回のフルモデルチェンジを象徴するキーワードを発見した。それは「期待を裏切らない」、そして「作り手の独りよがりにならない」という関係者の発言だ。

2代目CX-5はスタイリングは評価されたものの、後部座席や荷室関して不満の声も上がっていた。
2代目CX-5はスタイリングは評価されたものの、後部座席や荷室関して不満の声も上がっていた。    平井大介

実は先日のロードスター試乗会で数人の開発者と話している際に、最近のクルマ作りに関する話になった。その要点はこうだ。

現行ND型ロードスターがデビューした2015年当時は、2011年の初代CX-5から始まったスカイアクティブ思想の元で、各部門がとにかく理想を追求するスタイルだった。CX-5、アテンザ、アクセラ、デミオ、CX-3と続き、最後に登場したロードスターは、軽量化技術など一番の恩恵を受けた。

しかし後年になって、理想、理想と言い過ぎて顧客を見ていなかったという反省も出てきたという。「尖り過ぎていた」というコメントもあったほど。例えば2代目CX-5はスタイリングは評価されたものの、後部座席の乗り降りや荷室のスペースに関して、不満の声も上がっていた。

そこで3代目で改善……というのは、一般的なクルマ作りでは当たり前の話であるが、変わったのはその優先順位。2011年以降、10年くらいのマツダはプロダクトアウト、つまり自分たちが作りたいものを作って突き進んできた印象で、登場するモデルはどれも生き生きとし、新たな取り組みを語る開発者の目は輝きに満ちていた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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