ホンダ・シビック・ツアラー1.6 i-DTEC 120 EXプラス

公開 : 2015.04.15 23:50  更新 : 2017.05.29 19:09

2列目のシートにも大人3人が座れるのは、センター・トンネルをとても低い位置に抑えているから。身長が高い大人でもさしたる苦労をせずに座ることが可能だ。

反面、高いシート・ポジションやまとまりに欠けるダッシュボード、あらゆる素材を混在させすぎたドア・トリム周辺など、修繕してほしい部分も少なくない。快適で実用的なキャビンだけに、なんとももったいない。

インフォテインメント・システムも然り。システムの動作はなめらかで問題ないため、ボタンの押し心地を含めた質感を高めれば、さらに完成度のたかいクルマとして見なされるようになるはずだ。

路上に出てみるとこれまでの印象は一変、シビック・ツアラーの車格に求める素早い身のこなしに驚く。ラフな路面ではバタつくこともあるが、コーナリング/クルージング・マナーにはどっしりとした安定感がある。

各種入力装置の重み、レスポンスもよく吟味しているようで、リラックスして楽に走らせることが可能。コーナリング時に急増するステアリングの抵抗力の増加と、全般的にステア・フィールが希薄な点だけは惜しい。

もちろん安楽な移動を目的としたファミリーカーとしては合格点を越えているが、AUTOCARを選んでくれるような読者にとってはちと物足りないと感じるだろう。

1.6ℓのディーゼル・ユニットの静粛性はたかく、0−100km/hタイムも10.5秒と、さしたる不満はない。歯切れのあるレスポンスや ’若々しさ’ もシビック・ツアラーの魅力を底上げしている。

インギヤ時のパンチは2.0ℓディーゼルほどではないが、その分25.6km/ℓという魅力的な平均燃費をマークしたし、燃料タンクが50ℓと大容量なおかげで航続可能距離が1287kmに到達する点も良し。

テスト期間の平均燃費は19.1km/ℓ。現実的な数値としては大変魅力的であるうえ、航続可能距離が966kmに及んだのも立派だ。この結果ならば、社用車としての購入も後押しすることになるだろう。

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