【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #31】1978年ポルシェ911SC「モデル・コードナンバーが911ターボと同じ930に」

公開 : 2026.08.02 09:11

世界的な人気モデルとして支持され、サーキットでも数えきれぬ栄光の記録を刻んできたポルシェ。日曜日の午前9時11分に公開する、そんなポルシェの足跡を膨大なアーカイブと共に振り返る連載です。#31は『1978年ポルシェ911SC』です。

1978年ポルシェ911SC

ポルシェ911は、1978年モデルで大きく変貌を遂げる。しかし、初代911のクラシックなシルエットは依然として継承していた。

モデル名はこれまでの911や911Sから、911SCへ改められた。SCはスーパーカレラを意味する。1963年に登場したポルシェ356シリーズの最後を飾る高性能モデルである356SC以来の起用だった。

1982年式911カレラSクーペGシリーズ。
1982年式911カレラSクーペGシリーズ。    ポルシェ

これまで901系だったモデル・コードナンバーも、911ターボと同じ930に変わっている。1978年モデルのラインナップは、ベースグレードとなる911SCと911ターボ3.3の2モデルのみに絞られた。

あらたにSCのグレード名が与えられた911は、排気量が前年までの2.7リッターから3リッターに拡大されたのがニュースといえる。911カレラ3.0に搭載されていた3.0リッター自然吸気水平対向6気筒エンジンを180hpにディチューンして搭載された。

911SCの年次によるエンジン変化を記すと、1980年モデルでは改良型となる188hpを発揮するエンジンを採用する。点火系の見直し、カムシャフト・タイミングの変更、新型タイミングチェーン・テンショナー・アイドラー・アームが採用された。

圧縮比は8.5:1から8.6:1へと高め、放熱性を向上させるためにフロントフェンダー内のオイルクーラーにも改良が加えられている。最大トルクの数値に変更はない。このエンジンは米国・日本仕様には導入されなかった。

ボディにも手が加えられ、全幅が拡大

1981年モデルの911 SCから最高出力を204hpに向上させた新型エンジンを搭載する。圧縮比を8.6:1から9.8:1に引き上げ、改良型ボッシュ製Kジェトロニックの採用により燃費も向上させていた。最高出力は204hp/5900rpmとカレラ3.0を超えた。このエンジンは排気ガス規制が緩いヨーロッパ向けで、米国と日本には導入されなかった。

1981年モデルの米国向け911 SCは、最高出力180hpを維持しつつ、三元触媒とラムダセンサーが新たに装備された。パワーダウンを防ぐため、圧縮比は9.3:1に引き上げられ、厳しい53年規制が発効された日本向けも同様の仕様とされた。

リアフェンダーが911カレラ3.0と同じ形状に変更され、全幅は1650mmに。
リアフェンダーが911カレラ3.0と同じ形状に変更され、全幅は1650mmに。    ポルシェ

一方で911SCは、ボディにも手が加えらた。リアフェンダーが911カレラ3.0と同じ形状に変更され、全幅は1977年モデルに対し40mm拡大された1650mmとなった。

1978年モデルの911 SCのウインドウフレームとドアハンドルは、従来の911と同様にクロームメッキで仕上げられていた。1979年モデル以降は、以前のカレラ・モデルと同じアノダイズド・ブラック仕上げに変えられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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