メルセデス・ベンツ元デザイン責任者、ゴードン・ワグナー秘蔵の「レッド・ピッグ」コンセプト公開 「最後の贈り物」

公開 : 2026.02.19 07:05

メルセデス・ベンツの元デザイン責任者であるゴードン・ワグナー氏が、伝説のレーシングカー『300 SEL』を現代風にアレンジしたコンセプトカーを公開しました。歴史への敬意を表した「最後の贈り物」と言えそうです。

メルセデスへの最後の贈り物

メルセデス・ベンツの元デザイン責任者ゴードン・ワグナー氏が、歴史的な名車『300 SEL』の現代版コンセプトカーを公開した。

このモデルは「未公開のショーカー」と称され、社内で開発が進められていたことを窺わせている。詳しい経緯は未確認だが、これまでプロジェクトが日の目を見ることはなかった。

ゴードン・ワグナー氏が公開したコンセプトカー
ゴードン・ワグナー氏が公開したコンセプトカー

車名は明かされていないものの、ワグナー氏の退任前に導入された新しいデザイン要素をいくつか取り入れ、モダンに仕上げている。

例えば、オリジナルの300 SELの縦置きヘッドライトはスリーポインテッドスターに置き換えられ、新型『GLC』にも見られる「アイコニックグリル」のクロームバージョンを採用している。

さらに現代的なフロントスプリッター、サイドスカート、リアディフューザーを装備し、フロントとリアには複数の円形ランニングライトを配置している。

角張っていたオリジナルのルーフラインとリアエンドは、1950年代の「ポントン」セダンに近い曲線的なデザインに変更された。

歴史と伝統に敬意を表して

カラーリングは、1971年のスパ24時間レースで『レッド・ピッグ』と呼ばれた伝説的なマシンを踏襲しているが、スポンサー名は架空の名称に置き換えられている。例えばカストロール(Castrol)は、メルセデス・ベンツのデザインスタジオを擁する米カリフォルニア州の都市カールスバッド(Carlsbad)に代わっている。

このコンセプトカーが将来的に市販化される可能性は低い。しかし、中国の新規参入メーカーとの差別化を図る中で、メルセデス・ベンツの歴史に敬意を払おうとするデザイナーの意図が見て取れる。

ゴードン・ワグナー氏が公開したコンセプトカー
ゴードン・ワグナー氏が公開したコンセプトカー

ワグナー氏は以前AUTOCARの取材で、同社の新しいデザイン言語は「同質化の海(sea of sameness)」に陥らないよう「敬意」を大切にすると語っていた。

「あなたがメルセデスを買うとき、敬意を受けるべきです。何かを成し遂げ、人生で成功を収めたのですから、そのことに対する敬意を受けるに値します」とワグナー氏は述べた。

ワグナー氏は先月メルセデス・ベンツを去り、同社での28年間のキャリアに幕を閉じた。後任にはメルセデスAMGのデザイン責任者を務めていたバスティアン・バウディ氏が指名された。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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