クルマ漬けの毎日から

2026.02.16

フランスのパリで、クラシックカー・ショー「レトロモビル(Retromobile)2026」が開催されました(1月28日~2月1日)。今回で50回目の開催となった、パリの恒例年次イベントです。

パリの熱気あふれるクラシックカー・ショー「レトロモビル」【クロプリー編集長コラム】

もくじ

50回目の伝統イベント
3つのフロア 異なる個性

50回目の伝統イベント

「モーターショーは衰退している」と言ったのは、いったいだれだ? パリのクラシックカー・ショーとして有名な「レトロモビル(Retromobile)」を初めて訪ねた。

今年でこのショーは、開催50回目を迎えたという。イギリスとヨーロッパを結ぶ高速列車「ユーロスター」に乗ってロンドンを出発し、午後2時頃に会場へ到着。さっそく、展示場の中心へ向かった(今回ここへ来た目的は、業界のある大物へのインタビュー)。

その途中で、人目につく巨大なホールを通った。そこではクルマが販売されており、価格はどれも3万ユーロ(約540万円)未満だった。

旧型(手前)と新型(奥)のルノー4。昨年の「レトロモビル2025」で大いに注目を集めた。

完璧な状態のルノー12(エステート)、ルノー14(ハッチバック)、2台のルノー・フエゴ、シトロエンCX、何台かのクラシックのプジョー(203、304、406クーペ)といった、イギリスに住む者にとっては「レアなフランス車」がたくさん展示されており、私はすっかり魅了された。

時間がなかったが、魅力的なクルマに囲まれ、まさに魔法のような体験だった。

3つのフロア 異なる個性

翌日、私たちはパリのクラシックカー・ショー「レトロモビル」のメインホールの3フロアをすべて観て回った。

とくに驚いたのは、スタッフの人たちの雰囲気がフロア毎にまったく異なっていたこと。最上階(3階)には、富裕層向けにオークション会社のスタンドがつくられており、髪をつややかに整えたセールスのエリートたちが対応していた。

マクラーレンF1が1台だけではなく、何台か並んでいるのは逆効果で、ありがたみが減ってしまうと感じたのは、私だけだろうか?

「ルノー8 ゴルディーニ」は1.1リッター/4気筒/96psエンジンを搭載するモータースポーツ仕様。ブルーのボディカラーに白のストライプが特徴的(レトロモビル2025の展示)。

もっと普通の人々は、混雑した中央階(2階)に集まっていた。アルピーヌやBMWといった会社の人たちもこの階にいて、彼らの由緒ある歴史を活用しながら、最新モデルを売り込もうと熱心に客に対応していた。

1階はおもに、さまざまなクラブと団体のための場所となっている。少し変わった小さなサイクルカー(1910~20年代に製造された軽量で安価な小型車で、その多くは2気筒)に私たちは目を留め、英語とフランス語のちゃんぽんで、その熱心な出品者と楽しく話した。この階にも高品質のクルマがずらりと並び、販売されていた。

会場の外では、英国ベテラン・カークラブの「パリ版」と思われる団体のメンバーたちが、フランス車のパイオニアの「パナール」や「ド・ディオン・ブートン」に来場者を乗せて、敷地内に設けられた周回コースを走っていた。

これまで見たことがないような、非常に活気あふれる光景だった。きっと私は再びパリを訪ね、あの光景をまた目にするだろう。

イギリスへ戻り、帰宅後すぐに、妻にこう話した。「ああいうイベントでクルマを買わずに、あれほど楽しめたことは、これまでなかったよ」と。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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