【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#42 デートカーの帝王!トヨタ・ソアラの誕生と終焉

公開 : 2026.10.02 12:05

ソアラほど純粋な憧れを抱いたクルマは他になし!

我が生涯において、ソアラほど純粋な憧れを抱いたクルマは他にない。その約10年後、私はフェラーリに強烈な憧れを抱くことになるが、フェラーリを買えば、同時にとてつもない苦難も待ち受けている(だろう)。しかしソアラにはそんなものは皆無。ただただ純粋に、未体験の豊かさがそこにあるような気がしたのである。

とは言うものの、結局私はソアラよりもガゼールを愛した。当時、学生がソアラを乗り回すなんてのは、『自家用ジェットを乗り回すドラ息子』みたいな感覚だったし、ソアラはATで、テクを磨くのに適していなかったからである。

我が生涯において、ソアラほど純粋な憧れを抱いたクルマは他になし!
我が生涯において、ソアラほど純粋な憧れを抱いたクルマは他になし!    トヨタ自動車

一方、父はソアラをいたく気に入り、2代目も購入した。ただ2代目ソアラは、フェンダーミラーからドアミラーに変更されていたので、「見ずらい」と不満を漏らしていた。

そこで3代目ソアラに買い替えた際は、オプションのフェンダーミラーを注文した。私はそれを聞いて卒倒しそうになったが、後の祭りだった。

3代目ソアラは、それまでの日本的なカッコ良さを捨て、アメリカ志向のボヨーンとしたデザインが不評だったが、そこにフェンダーミラーが付くと、この世のものと思えないほどカッコ悪かった。それはまさにソアラ神話の終焉……と思ったのは私だけですが、あれはホラーレベルでした。涙。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は10月16日金曜日公開予定です)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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