トヨタ『ランドクルーザーFJ』は本格オフローダー! 250の弟分でもFJクルーザー後継車でもなく、いわば70系の味わい

公開 : 2026.10.05 12:05

トヨタ・ランドクルーザーの末っ子『“FJ”』を桃田健史が取材します。サイコロがキーワードとなる愛らしいルックスの素顔は、250の弟分でもFJクルーザー後継車でもなく、いわば70系の本格オフローダーだったようです。

どこか愛らしいルックスは「サイコロ」

なるほど、こういうことか。トヨタの本拠地である愛知県豊田市とその周辺で『ランドクルーザー“FJ”』(以下、FJ)を走らせることで、その本質を理解することができた。

今回の取材は、トヨタ博物館(愛知県長久手市)から始まった。駐車場に数台のFJが並ぶ。その姿はどこか愛らしい。ボディサイズは、全長4575mm、全幅1855mm、全高1960mm、ホイールベース2580mmというかなりの背高だ。

トヨタ・ランドクルーザー“FJ”を取材。
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”を取材。    トヨタ自動車

担当デザイナーは筆者に対して「サイコロ」という表現を幾度となく使い、自由を解放するオフローダーらしさ、走りのタフネス、そしてより多くの人に触れて感じてほしいという思いを話す。

また、このボディ形状を量産するためには、製造技術との協議においてデザイナーとして譲れないところは絶対に譲らない姿勢を貫いたという。特に、ボディ側面がかなり垂直に立ち上がっており、こうした点で苦労が多かったとのことだ。

インテリアは、ランドクルーザーとしての機能美を感じる。インテリア担当デザイナーは、直感的に操作ができる物理スイッチの最適化を図ったと説明する。

排気量2.7Lのガソリンが稼働すると、アイドリング中の車内への振動は少ないが、決してきれいに消えているのではなく、オフローダーとして気配を感じるほどの良さがある。

オフローダーらしく、ほどよく緩いハンドリング

目的地であるさなげアドベンチャーフィールド(愛知県豊田市)までは、オンロードでの試乗だ。運転席からの見切りはよく、左前のフェンダーの位置がドライバーの感覚として掴みやすい。

最初はH2(後輪駆動)で走る。ハンドリングとしてはオフローダーらしく、ほどよく緩い。決して緩慢とか、ダルという表現は正しくなく、ゆったり走るという印象。ただし、パワーステアリングの設定は、やや重めに感じる。これは、電動パワーステアリングではなく、油圧式であることが要因だ。

取材に用意された8台のランドクルーザー“FJ”。
取材に用意された8台のランドクルーザー“FJ”。    トヨタ自動車

アクセルレスポンスに対するパワー感やトルク感については、1960kgの車重に対して必要十分との印象だ。電子制御6速オートマティックとのエンジンとのバランスもよく、普段での走行はSUVとして無理なく使えそう。

また、シーケンシャルシフト(Sモード)があるが、FJというクルマの特性を考えると、日本での走行環境では滅多に使わないと思う。

ブレーキのタッチは、カッチリしているというよりは、少しゆったりしたイメージだが、ハイエースなどの商用車と比べると扱いやすい。

パートタイム四輪駆動であるので、オンロードH4も試してみた。ステアリングにしっかり感が増すものの、旧来の四輪駆動車のように直進安定性が強調され、ステアリングの切り出しに壁を感じるようなことはなかった。

クルマ全体の動きが安定したイメージであり、燃費を気にしなければ市街地でも常に四輪駆動で走行してもよいかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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