スタイルは優雅、中身はストイック フェラーリの2+クーペ『アマルフィ』は単なるエントリーモデルに非ず【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.09.22 11:45

現在フェラーリのプロダクションモデルラインナップでベーシックラインを担っている2+クーペの『アマルフィ』を、スーパーカー超王こと山崎元裕が取材します。スタイルは優雅ですが、中身はストイックなようです。

フェラーリ・デザインセンター、近年ベストの作品

現在フェラーリのプロダクションモデルラインナップでベーシックラインを担っているのは、2+クーペの『アマルフィ』と、そのオープントップバージョンとなる『アマルフィ・スパイダー』の両車だ。

クーペがデビューしたのは2025年7月、スパイダーはそれからやや遅れて今年3月に発表されている。今回はデビューからほぼ1年という時間を経て、待望の日本上陸が実現したクーペをオンロードへと持ち出し、その魅力を探ってみたい。

フェラーリのベーシックラインを担う、2+クーペの『アマルフィ』。
フェラーリのベーシックラインを担う、2+クーペの『アマルフィ』。    佐藤亮太

アマルフィというモデルを見て、まず誰もが感じるのはそのエクステリアデザインの美しさだろう。

二次元でしかそのデザインを表現し得ない写真では、どうしてもフェラーリとしてはやや控えめな造形としか映らないアマルフィのボディだが、実際に見るそれは実にダイナミックな、そして繊細なライン構成で官能的ともいえる美しさを主張しているのが分かる。

前作のローマと比較すると、フロントグリルが廃止されたことで、ノーズの長さ、そして鋭さがさらに強調されているのもアマルフィの特徴。

実際のデザインはもちろんフェラーリのデザインセンターによるものだが(2+FRではポルトフィーノ以降が、同センターによってスタイリングされている)、個人的には美しさと、そしてもちろんエアロダイナミクスに象徴される機能を、ここまで巧みにバランスさせたアマルフィのデザインは、近年の彼らの作においてはベストと評したい。

ドライビングへの没入感を高めるコクピット

キャビンのフィニッシュもまた素晴らしかった。フェラーリ試乗車の例に漏れず、このモデルにも様々なオプションが装備されており、ベーシックな姿を想像することは不可能に近い。

しかし、高級感やホールド感では完璧の一語に尽きるホワイトを基調とするフル電動バケットシートや、カーボンファイバー製ステアリングホイール、同素材のインストゥルメンタルメーターパネルといったアイテムで包み込まれるコクピットは、これもまたラグジュアリーな雰囲気でありながら、ドライビングへの没入感を大きく高めてくれるから嬉しい。

ステアリングホイール上などに備えられるスイッチの多くが、物理スイッチへと回帰している。
ステアリングホイール上などに備えられるスイッチの多くが、物理スイッチへと回帰している。    佐藤亮太

そしてローマからアマルフィへのモデルチェンジで大きく変わったのは、ステアリングホイール上などに備えられるスイッチの多くが、確実な操作が可能な物理スイッチへと回帰したこと。一部スイッチはまだ以前の静電容量式のまま残るが、使い勝手が大幅に高まっていることは確実だ。

フロントの3.9L V型8気筒ツインターボエンジンをスタートさせ、まずはややトラフィックの多い市街地の道でアマルフィの走りをチェックする。

V8エンジンのパワー&トルクスペックはそれぞれ640ps、760Nm。最高出力は7500rpmで、最大トルクは3000~5750rpmでフラットに発生する。最大トルクはローマから変化はないが、ローストップが多く低速での走行に終始する場面では、やはりアマルフィの持つ豊かなトルクと、ほぼショックを感じさせずにシフトアップを続ける8速DCTの洗練された動きに好印象を受ける。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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