欧州で大ヒット中の歴代最小モデル ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(1) 小変更で7スロットグリル上部にイルミネーション追加

公開 : 2026.09.28 18:05

ブランド活性化の使命を負う、ジープ・アベンジャーが小改良を受けました。機械的な変更はないものの、内装の質感は上昇。不満ないパワー感で運転しやすく、活発なシティコンパクトです。UK編集部が試乗します。

7スロットグリルに四角いフォルム

小さなボディでFFベースのジープと聞いて、兼ねてからのブランドファンは懐疑的に捉えるかもしれない。しかし、アベンジャーは欧州で大ヒット。タフな見た目にフレンドリーな走りで、新しい顧客を獲得するに至った。

1940年代のオリジナル、ウイリスMB「ジープ」を除き、同社の歴代で最もコンパクト。それでいて、7スロットグリルや短いオーバーハング、四角いフォルムなどで、しっかりジープらしさが演出されている。

ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

そもそもアベンジャーには、ジープ・ブランドを再定義し販売を活性化するという、重要な使命があった。そこで、ステランティス・グループの技術を積極的に活用。計28万台が、これまでに納車されている。その内、バッテリーEV版が6割を占めるという。

この上り調子を維持するべく、2026年仕様としてアベンジャーはアップデート。ライバルは、ルノー4 E-テックやヒョンデ・インスターなど、コスパ優等生の他、同グループのプジョー E-2008やフィアット600eなども含まれる。競争は激しい。

ブランド85周年を祝う85thアニバーサリーも

今回の小変更での、見た目の変化はかなり小さい。前後のバンパーが僅かに手直しされ、新デザインのホイールが選べるようになった程度。フロントグリル上部にイルミネーションが追加されたことへ、喜ぶ人もいらっしゃるだろう。

LEDマトリックス・ヘッドライトは、新たにオプション設定。運転支援システム用のレーダーやカメラはフロントグリル裏へ移動し、オフロード走行時や衝突時に、機器へ及ぶ被害が軽減されている。

ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

ジープ・ブランドの誕生85周年を祝う、85thアニバーサリーも設定された。ゴールドの差し色や専用エンブレムで、特別仕様だと主張。シートは、ピクニック用ブランケットに着想を得たという、タータンチェック柄のクロスで仕立てられる。

この特別仕様の場合、ホイールは18インチが標準。タイヤは、幅215を履く。

小変更でのメカニズム更新は基本的になし

プラットフォームは、シトロエン E-C4やプジョー E-2008などと同じ、モジュラー式のe-CMP2。だが前がマクファーソン・ストラット、後ろがトーションビームのサスペンションはストロークが伸ばされ、悪路への対応力を高めている。

小変更によるメカニズムの更新は、基本的になし。フロントへ載る駆動用モーターは、ステランティスとニデックとの合弁企業、イーモーターズ社が開発した、エネルギー効率に優れるユニット。最高出力は156ps、最大トルクは26.4kg-mが主張される。

ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー・フルエレクトリック(欧州仕様)

駆動用バッテリーは50.8kWhで、車重は1601kg。EVとしては重すぎるわけではないが、1.2Lエンジン版のアベンジャーは1182kgだから、軽くはない。ちなみに、欧州仕様の生産工場はポーランドだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター

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