85年前のジープでスーパーマーケットへ出動! 博物館から買い取った英国在住オーナー シンプルで整備も簡単

公開 : 2026.07.10 17:05

英国在住のワトソンさんご夫妻は、1941年製造のウィリス・ジープでスーパーマーケットに行くこともあるのだとか。軍用車らしい迫力と信頼性があり、スピードは出ないものの、街ですれ違う人々は喜んでくれるそうです。

博物館のオークションで入手

「アスダ(スーパーマーケット)ではいつも一番前の駐車スペースを確保できるんですよ!」と、英国在住のイアン・ワトソンさんは、10年間所有しているウィリス・ジープについて冗談交じりに語る。

「機関銃のマウントが付いているんです。自宅にはこれに合う30口径の銃が2丁あって、かなり迫力がありますよ」

ワトソンさんご夫妻とウィリス・ジープ
ワトソンさんご夫妻とウィリス・ジープ    AUTOCAR

彼が妻のヴィヴさんとスーパーに立ち寄る時は、ダッシュボードに取り付けられた手榴弾(フェイクですよね?)を外してくれるといいのだが。

イアンさんのジープは初期のモデルで、1941年式の「スラットグリル」装備車だ(フォードが戦時体制でジープの生産を始めた際、生産をスピードアップさせるためにグリルをシンプルなプレス鋼製の部品に切り替えた)。

「真珠湾攻撃のわずか2日後に、南太平洋へ送られた車両です。戦後、米軍は装備の多くを放棄し、このジープはフィリピンに残されました。やがてボロボロになってしまったんですが、マニラの博物館が初期モデルとしての価値を認め、買い取って修復しました」

「その博物館が閉館した際、展示品すべてがeBayで売却され、そのときにわたしが手に入れたんです。状態はほぼ今と同じで、購入価格は1万7000ポンド(約365万円)でしたが、現在では初期の『スラットグリル』ジープは3万4000ポンド(約740万円)前後で取引されているので、悪くない買い物だったと思います」

落ちないようにドアストラップを装着

イアンさんのジープは、ウィリス社の「ゴーデビル」エンジンを搭載している。2.2Lの直列4気筒フラットヘッド(サイドバルブ)エンジンで、「ざるのようにオイルが漏れます。暑い国で使われていたため、冷却用に2つ目のラジエーターが取り付けられていますよ」と彼は言う。

「出力は60ps程度ですが、2000rpmで13.8kg-mを少し超えるトルクが出るため、アイドリング状態からもしっかりと加速してくれます。実際、トラクターのような感じです! わたしが出した最高速度は72km/hで、トラクター並みに遅いですね。とはいえ、それ以上速く走りたいとは思わないのですが」

ワトソンさんご夫妻のウィリス・ジープ
ワトソンさんご夫妻のウィリス・ジープ    AUTOCAR

「ブレーキは油圧式ですが、あまり性能は良くありません。後部には貨物用のスプリングが使われているので、かなり揺れます。しっかりつかまっていなければいけません。転げ落ちそうになってしまうので、ドアストラップを取り付けました。戦時中の兵士たちは体格がもっと小さかったので、わたしのようなでかい男よりも簡単につかまっていられたのでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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