ハイブリッドかEVか選べる新世代 ジープ・コンパス e-ハイブリッド(1) ライバルが林立する激戦区へ 使い勝手重視の車内デザインに好感

公開 : 2026.08.28 18:05

ジープ・コンパスが、ブランドイメージを柔軟に活かした3代目へ進化。完全な電動かハイブリッドを選べる動力源や使い勝手を重視した車内デザインなど、先代以上に頼れるSUVだと、UK編集部は評価します。

ブランドイメージを柔軟に活かしたコンパス

小柄なモデルを中心に、欧州での販売を伸ばしているジープ。2030年までに新たな6モデルを投入することで、更に勢いを増す計画を立てている。これを牽引するのが、小さなアベンジャーに続いて登場した、新しいコンパスだ。

初代はダッジ・キャリパーの技術を利用し、2006年に登場している。新たな経営体制下で、フィアットの技術を利用した2代目は2016年。2026年の3代目は、ステランティス・グループのSTLAミディアム・プラットフォームを採用している。

ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)
ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)

メルセデス・ベンツフェラーリ等と同様に、確かなブランドイメージを持つジープ。それを柔軟に活かしたモデル展開で、近年の成功は導かれている。オシャレな見た目で前輪駆動のアベンジャーはその好例といえ、欧州カー・オブ・ザ・イヤーも受賞した。

この流れを汲むのが、ライバルが林立する激戦区に属するコンパス。先代より全長は約130mm長くなり、ホイールベースも伸ばされている。ハードウェアはグループ内で共有しつつ、ジープ独自の特性に調整されたという。

完全な電動かハイブリッドを選べるパワートレイン

パワートレインは、完全な電動かハイブリッドから選択可能。前者は、213psのシングルモーターに74.0kWhの駆動用バッテリーというペアか、231psに97.0kWhのペアが用意される。最低地上高を高め、ツインモーターで四輪駆動の4xeも設定される。

ハイブリッドは、1.2L 3気筒ガソリンターボに電圧48Vで146psのマイルド「e-ハイブリッド」か、17.9kWhの駆動用バッテリーを積み、1.6L 4気筒ガソリンターボのプラグインハイブリッドという2択。こちらはシステム総合で、226psがうたわれる。

ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)
ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)

選択肢は幅広く、必要に応じたコンパスを選べるといえるが、パワートレイン間で見た目の違いはほぼない。ハイブリッド版でも、実際には空気の流れないセブンスロット・グリルがフロントマスクを飾り、テールパイプは下に隠れているからだ。

スタイリングは先代より精悍で、力強さが醸し出されている。X状のテールライトや、やんわり灯るジープのロゴは新しい。サスペンションは、EV版ではリアがマルチリンクで、ハイブリッド版はトーションビームと、差が設けられている。

機能性や使い勝手を重視した車内デザイン

インテリアは、機能性や使い勝手を重視したデザインといえる。ダッシュボードを中心に、各所へ小物入れが備わり、ドライブモードやシフトセレクターなどには大きな物理スイッチが用意される。頻繁に操作する、エアコンやオーディオにも。

高級路線のプジョーに届いてはいないが、内装素材も同クラスとしては優れる側。全体のレイアウトも、見慣れたもので好感が持てる。ステアリングホイールには独自デザインの物理スイッチが配され、部品の共有は巧妙に抑えられている。

ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)
ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)

シートには「スキューバ・ビニール」という名のウェットスーツ風クロスが張られ、座り心地が悪くなかった。もう少し、調整域が広いとうれしいが。試乗車のフロアマットはゴム製で、汚れを簡単に落とせるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ジープ・コンパス e-ハイブリッドの前後関係

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