マクラーレンP1、パリ・モーターショーでデビュー

公開 : 2012.09.19 19:00  更新 : 2017.06.01 01:03

マクラーレンP1は、まったく新しい究極のスーパーカーだ。マクラーレンによれば、このプロジェクトはシンプルなゴールを目指したという。

「路上でもサーキットにおいても世界最高のドライバーズ・カーだ」という。関係者によれば、そのエンジン・パワーは960bhpで、フォーミュラ1スタイルのキネティック・エネルギー回生装置(KERS)を搭載しているという。また、そのパフォーマンスは、あらゆる状況下におけるラップ・タイムを見ても、ブガッティ・ヴェイロンを超えるものとなっているようだ。

P1は800,000ポンド1億236万円という価格で500台の限定で生産される。おそらくP1は、一般に売り出される前に、従来のマクラーレンの顧客およびコレクターによって完売してしまうかもしれない。

マクラーレンP1は、パリ・モーターショーで公開される。

最終型は来年、正式に発表されることになる。しかし、このプロトタイプはほとんど生産型といってよいだろう。そのデビューはマクラーレンの50周年にあたる年でもある。

P1は「その技術とスピリチュアルなインスピレーションは、レーシング・ディヴィジョンから受けた」という。マクラーレン・オートモティブのCEO、ロン・デニスは、以下のようにコメントしている。

「P1はマクラーレンの50年間にわたるレーシングカーおよびロードゴーイングカーの集大成だ。20年前、われわれはマクラーレンF1でスーパーカーの新たなる指標を示したが、P1の出現はそれを再定義することになるだろう。」

また、マクラーレン・オートモティブのマネージング・ディレクター、アントニー・シェリフは「われわれの狙いは、必ずしも最高の速度を誇り最も速いクルマを造るということではなかった。サーキットの上で最速のラップタイムを叩きだすことが、生産車の価値を決めるというわけではない。オールラウンドな能力を持たせることが、技術的にもっと重要なことだった。P1は、これまでに製造されたクルマの中で、最も刺激的でパフォーマンスがあり、そして技術的最新で、ダイナミックなスーパーカーである。」

AUTOCARは、何とかP1の秘密を探ることができた。そのドラマティックなスタイルにも関わらず、MP4-12Cとの共通点、例えば深いウインドスクリーン、狭いAピラー、比較的狭いボディ・ワイズ、を見ることができる。実際、P1は、MP4-12Cの”日常的なユーザビリティ”を持つという。また、そのサイズはポルシェ911よりも短い。

マクラーレンのスタイリング担当、フランク・スティーブンソンによるかなり熟慮したフォルムは、P1が技術的に究極を目指したことがわかる。マクラーレンの風洞の専門家によって、エアロダイナミクスは究極まで突き詰められた。

ボディは艶消しのブラックと、ボディ・カラーの2トーンだ。エンジンに空気を導き入れるエア・インレットが、マクラーレンF1のようにルーフに付けられる。

P1はMP4-12Cのカーボンファイバー・モノセルを修正したモノコックを持つ。同じようなドア・フレームのメカニズを持つ。しかし、ドアのスキンは、フロント・ウイングまで広がっている。もちろん、その外側もカーボンファイバー製で、重さは1300kg未満という。

しかし、その他のアンダーストラクチャーは12Cとはかなり異なる。前後のアルミニウム製のサブフレームとサスペンションは完全に再設計されている。アクティブ・ダンパーと油圧制御のアクティブ・ロール・コントロールが装備され、ボディ制御のためのアンチロールバーも取り付けられる。サーキット上では、その車高を低くすることができる仕組みがあり、フラットボトムとサイド・スカートによってダウンフォースがより大きなものとなる。

P1のスタイルから判断して、そのエンジンおよびドライブトレーンはかなり低い位置にレイアウトされていることが伺い知れる。それはMP4-12Cよりも低くセットされているようだ。

P1のエンジンはV10やV12ではない。最新の情報によれば、MP4-12CのツインターボV8のチューニング版のようだ。そのパワーは9000rpmで800bhp以上を発揮するものと思われる。しかもKERSにより、瞬間的に160bhpがプラスされる。しかも、燃費はその性能から考えると驚異的に良いという。

P1の最高速は385km/h、0-96km/h加速は3秒以下。そのシルバーストンでのラップタイムは、あらゆるロードゴーイングカーの記録を塗り替えたという。

カリフォルニア・ペブルビーチで内覧されたP1を見た人物からの情報によれば、P1は従来のガラスではなくアクリルのウインドーが採用されているという。この材質は水を弾くため、ワイパーが不要になるという。

P1のデビューは、2020年まで毎年新車をリリースするというマクラーレンの約束をカタチにしたものだ。ちなみに、F1は540,000ポンド(6900万円)という価格ながら108台が生産され、今ではオークションで3,800,000ポンド(4億8000万円)で取引されている。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像