三菱、英国に『アウトランダーPHEV』と『L200』投入決定 人気モデルが復帰

公開 : 2025.12.15 07:25

三菱は来夏、英国市場で『アウトランダーPHEV』と『L200(日本名:トライトン)』を発売する予定です。2021年以来の復帰であり、価格や仕様は未定ながら新世代モデルとして現地での活躍が期待されます。

約5年ぶりの登場

三菱自動車は来年の夏、英国市場にSUV『アウトランダーPHEV』とピックアップトラック『L200(日本名:トライトン)』を投入することを正式に発表した。

両モデルは2021年に英国市場から撤退する前、三菱の主力製品であった。それぞれ新世代へと更新され、商品力を高めてからの復帰となった。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

2代目アウトランダーPHEVは、先代モデルより全長・全幅・全高が増し、7人乗り仕様を実現した。

現時点では詳細は公表されていないが、2.4Lガソリンエンジンと2基の電気モーターを組み合わせた四輪駆動システムを採用する。米国仕様車では、これにより合計出力251psを発生し、電気のみでの航続距離は約61kmとなる。0-100km/h加速タイムは約7.0秒と予想される。

英国価格も未発表だが、同国で急速にシェアを拡大している低価格の中国製PHEVとの厳しい競争に直面するだろう。

参考までに、BYDシールUは電気航続距離69kmの仕様で3万3315ポンド(約690万円)、125kmの仕様が3万5315ポンド(約735万円)。ジェイクー7 SHSは3万5165ポンド(約730万円)で電気航続距離90kmを実現している。

しかし、アウトランダーPHEVの英国価格は4万ポンド台前半(約830万円)から中盤(約930万円)と予想される。

一方、6代目となるL200は堅牢な印象を強めたピックアップトラックであり、トヨタハイラックスいすゞDマックス、フォード・レンジャーと競合することになりそうだ。

搭載されるのは2.4Lのツインターボディーゼルエンジンで、他の市場では204psと48kg-mのトルクを発生。6速オートマティック・トランスミッション、四輪駆動システム、センターデフロック、リアデフロックを備えている。

L200の英国価格は未発表だが、ダブルキャブのフォード・レンジャーは3万800ポンド(約640万円)から、トヨタ・ハイラックスは4万9750ポンド(約1030万円)からとなる。

三菱が今後、英国市場にどのようなモデルを展開していくかはまだ明らかにされていない。しかし、欧州事業責任者のフランク・クロール氏は2022年、英国市場復帰には「複数の」EVが必要だと発言している。

このことから、新型クロスオーバー『エクリプス・クロス』(実質的にルノー・セニックのバッジエンジニアリング車)の投入の可能性が考えられるが、現時点で三菱のグローバルラインナップに他に適したEVはない。

EVが必要とされる理由は、英国のゼロ・エミッション車(ZEV)規制にある。この規制により、来年には各メーカーの新車販売台数の3分の1をEVとすることが義務付けられるからだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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