ボルボV40 D4 R-デザイン・ポールスター・エディション

公開 : 2017.01.25 05:55  更新 : 2017.05.29 19:07

クルマが好きなひとは瞬時に笑顔になるぐらい力強さが感じられるのだ。さらにアクセル・ペダルに載せた足に軽く力をこめると、スムーズにエンジン回転が上がり、ぐいぐいと加速する。

最大トルクは1750rpmから2250rpmで発生するが、それ以上回転を上げていっても加速のいきおいが止むことはない。

エンジン音も車内騒音もきわめて低いため、よく出来た高速ツアラーだと感心させられる。

そもそもベースになったR-デザインは標準モデルに対してよりスポーティさをセリング・ポイントにする。コイル・スプリングは前で20パーセント、後ろで19パーセント剛性を強化。

フロントのダンパーは強化されているうえ、リアはモノ・チューブ・タイプとなっている。加えて強化リア・スタビライザーも備わる。タイヤも専用サイズだ。

V40 D4 R-デザイン・ポールスター・エディションではR-デザインに仕様に対してさらに30パーセント硬度を高めたコイル・スプリングが採用された。

ポールスター専用ダンパーを組み合わせ、車高が10mm下がっている。低重心による操縦性の向上が狙われているのだ。

ステアリング・ホイールを操舵したときの車体の反応は鋭い。気持ちよくノーズが内側を向く。加えてどの回転域でもトルクがたっぷりあるエンジンにより軽快さが強調されている。

アクセル・ペダルの軽い操作による加速感と、俊敏なクルマの操縦感覚。ふたつが合わさって、ドライバーはクルマと一体化したような感覚を味わえるのである。

ほんの少しだけ車体の向きを変えたい。わずかだけ加速したい。あるいは微妙に減速したい。ドライバーの意思にじつに忠実にクルマが動く。

チューニングの本来の目的とはたんにパワフルなクルマを作ることでない。人間と車両の一体化にあると知らされる出来のよさである。

人間の感覚に忠実という意味では乗り心地も特筆に値する。

先に触れたスポーティな脚まわりに加え、専用の18インチ・リムを持つヒールに225/40のタイヤが組み合わされている。それでもけっして硬すぎない。快適性が犠牲になっていないのだ。

洗練された仕上げも注目に値するだろう。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

ボルボの人気画像