スポーツ・クーペ決定戦:前編 ――ポルシェ・パナメーラ・ターボ vs BMW M6グランクーペ vs メルセデス-AMG S63クーペ

公開 : 2017.02.11 11:48  更新 : 2017.05.29 19:29

ポルシェの新たなハッチバック・サルーンがいよいよ上陸した。早速のマッチメイクは、同じドイツ生まれのハイ・パフォーマンス・クーペ勢との対決だ。

ポルシェ・パナメーラは、とびきりホットなハッチバックだが、ホットハッチとは誰も呼ばないだろう。初代パナメーラの登場時には分類に困り、スポーツ・クーペと高速サルーンのハイブリッドといった理解で手を打った。今回集めた3台を眺めていると、時代と共にクルマの多様化は進むものだ、とつくづく思う。

初代のデビュー当時、ポルシェはパナメーラを、真のポルシェらしいクルマに仕立てようと鋭意努力したものだ。それの意味するところは、ステアリングが重く、サルーン的な洗練性は犠牲にされる部分が多かった、ということでもある。そう、わたしは今、皮肉を言っている。

その跡目を継いだ最新型は、もっと懐の広いクルマだと感じられる。テスト車として用意したのは、現時点では最強モデルのターボ仕様だが、昨年夏にドイツでこれと同型のモデルを試乗した際には、これこそポルシェの歴史で初となる真の高級車だと思えたものである。

4.0ℓV8ツイン・ターボは550psを発生し、レスポンスに優れる8速DCTと組み合わせて四輪を駆動。5ドアの巨体に包まれたキャビンには、前後ふたつずつ、合わせて4つの独立したシートが据えられる。あくまで見た目だけの話だが、リア・シートもフロントの軽量スポーツ・シートのようなデザインだ。

快適装備も満載し、エア・サスペンションも搭載したこのクルマの総重量は2070kgに達する。ターボの価格は、オプション抜きで£113,075(1,599万円)、日本では2327.0万円となる。

さて、ここで悩むのは、このクルマの比較対象は何か? という問題である。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

ポルシェ パナメーラの人気画像