もうひとつのハイライトは、サスペンションの改良だ。先代と同じく、フロントをマクファーソン・ストラット、リアをマルチリンク式とするものの、車高はA3スポーツバックからさらに25mm低くされ、調整機能を持つ磁性流体ダンパーを含むRSスポーツ・サスペンション・プラス・パッケージをオプションで装着させることもできる。

標準の19インチのホイールには、235/35のピレリPゼロ・タイヤが装着され、アウディのドライブ・セレクト・システムは、コンフォート、オート、ダイナミック、そしてインデペンデントの4つのモードが備わる。

フロント・バンパーの拡大済みのエア・インテーク、艶のあるのブラックで塗装された六角形のグラフィックスのグリル、広げられたフロント・フェンダー、黒でフィニッシュされたドア・ミラーが車体前方の識別点。

大きくなったサイド・シル、後方のリア・スポイラー、新デザインのバンパーには統合されたディフューザーと楕円形のテールパイプが備わり、RS3スポーツバックとA3スポーツバックを混同することはないだろう。

■どんな感じ？

ちょっと閉鎖感があるものの、RS3スポーツバックのインテリアは、スタイリッシュでありながら、質感が高く、乗り込んだ瞬間に好感をもてる類。

正直なところ、ベースとなったモデルの2倍もするのだから、これは至極当然のことであろう。

しかし先代に引き続き、特別な気もちになる空間であることは間違いない。RSモデルの伝統とも言える、下部がフラットなマルチ・ファンクション・ステアリング、エンボスのロゴを配したサポート性の良いシート、車名を刻銘したシフト・ノブにステンレスのペダル類等が装備される。

購入者は、標準で装備される一般的なダイヤルやノブから成るインストルメント・パネルの代わりに、12.3インチのハイレゾ・ディスプレイを配するヴァーチャル・コックピットを選択することができる。

最新のTT RSと同様に、ステアリングのボタンからRS独特のグラフィックや様々なテーマを選択することができる。オプションで是非とも装着したいのは、電動調整機能を持ったシェル・スタイル・スポーツ・シートであろう。ヘッドレスト一体のドライバーを包み込む様なこのシートは、よりサポート性に優れる。