毎日付き合いやすいクロスオーバー 日産リーフ 75kWh(2) 柔らかサスで乗り心地良好 賢明な1択でもベストバイに達せず

公開 : 2026.09.14 18:10

3代目日産リーフが、欧州でも生産開始されました。競合より躍動感あるボディですが、見た目ほど車内は広くありません。速度管理しやすく乗り心地良好でも、ブレーキは弱めで航続距離は平均止まりです。辛口UK編集部の評価は?

線形的なパワーの立ち上がりで速度管理は容易

3代目でクロスオーバーとなった、日産リーフ。試乗車は217psの駆動用モーターに75.0kWhのバッテリーという組み合わせで、バッテリーEVらしい活発さを叶えている。0-100km/h加速は、実際に計測したところカタログ値の7.6秒を上回っていた。

パワーの立ち上がりは線形的で、速度管理は容易。アクセルペダルを一気に倒すと、フロントタイヤの空転を抑えるべく徐々に力が増していくが、遅く感じることはない。

日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)
日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)

アクセルオフでの回生ブレーキは、デフォルトでは弱め。ステアリングホイール裏のパドルで、完全な惰性走行から、しっかり減速できる強さまで調整できる。強力な制動力が得られるe-ペダル・モードもあるが、ワンペダルドライブではない。

ブレーキペダルの感触は、若干スポンジー。ストロークが長く、回生から摩擦への推移もやや不自然に感じられた。滑らかに止まることは可能だが。

乗り心地は良好でもブレーキは弱め

制動力は、乾燥路面で約110km/hから止まるのに、49.2mとライバルより長め。濡れた路面では64.0mと、2026年の新モデルとしては頼りない。タイヤはハンコックだったが、同じ銘柄を履くキアEV3は、それぞれ45.2mと50.5mで止まっている。

とはいえ、そんな急ブレーキを避けた運転なら、リーフは日常的にとても付き合いやすい。濡れた路面で稀にトラクション不足へ陥るものの、電子制御が自然になだめてくれる。殆どのドライバーは、その介入に気付かないだろう。

日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)
日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)

サスペンションはソフトで、乗り心地は良好。舗装の様々な凹凸を巧妙に吸収し、高速道路での落ち着きも褒められる。19インチ・ホイールは少々大きすぎるのか、歩道の段差などでは若干の突き上げ感を伴うが、このクラスのEVとしては許容範囲にある。

ホットハッチのようなスポーティな走りも

操縦性も好印象。軽めのステアリングは、スポーツ・モードを選ぶと重みが増し、グリップ状態を把握しやすくなる。フロントタイヤはしっかり路面を掴み、自信を持ってカーブへ飛び込めるといっても過言ではない。

気張りすぎると、大きなボディロールで限界が近いと教えてくれるが、挙動は予想しやすいもの。荒れた路面を飛ばすと、落ち着きに陰りは出るが、姿勢制御も褒められる。

日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)
日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)

ESCをオフにすれば、アクセルペダルを一気に戻してラインを絞れる、リフトオフ・オーバーステア。ホットハッチのような、スポーティな走りに興じることもできる。サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後ろがマルチリンクだ。

運転支援システムは充実しているが、車線維持支援と制限速度警告、ドライバー監視など不要な機能は、カスタムモードで登録すればオフを保てる。アダプティブ・クルーズコントロールは、概ね滑らか。フロントタイヤ付近のカメラ映像は、駐車時に役立つ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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