英国でも本格的に生産スタート 日産リーフ 75kWh(1) 躍動感あるボディと沢山の物理スイッチが強み 見た目ほど広くない車内

公開 : 2026.09.14 18:05

3代目日産リーフが、欧州でも生産開始されました。競合より躍動感あるボディですが、見た目ほど車内は広くありません。速度管理しやすく乗り心地良好でも、ブレーキは弱めで航続距離は平均止まりです。辛口UK編集部の評価は?

英国での生産も始まった3代目リーフ

日産リーフといえば、他社に先駆けて2010年に発売された、現実的に使えるバッテリーEVの先駆け。だが、電動化へのシフトが進むにつれ、存在感は薄くなっていた。

初代の進化形にあった2代目から一新した、3代目が発表されたのは2025年6月。欧州仕様は、英国サンダーランド工場で生産される手はずだったものの、駆動用バッテリーを作る工場の都合で遅れていた。だが遂に、英国市場への提供が始まった。

日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)
日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)

プラットフォームは、ルノー・日産・三菱のアライアンス関係で開発された、CMF-EVを採用。上位モデルの日産アリアや、ルノー・メガーヌ E-テックなどと共有する。だが、5 E-テックの兄弟といえる、マイクラ(マーチ)とは別のアプローチにある。

メーカー間での結びつきは緩く、駆動用モーターにバッテリー、ボディシェルは、日産独自のもの。開発コストは上昇してしまうが、クルマとしての個性を高めることには繋がる。スペック表での競争力は、悪くない。

ライバルより躍動感あるスタイリング

新世代で優先されたのは、エネルギー効率。ずんぐりしたハッチバックからクロスオーバーへ生まれ変わったが、垂直に切り落とされたカムテールにダックテールスポイラーを備え、空気抵抗を示すCd値は0.25と非常に小さい。全高も抑えられている。

フロントから滑らかにルーフが伸び、テールライトは1990年代の日産フェアレディZを彷彿とさせるもの。整った面構成で、スタイリングは主なライバルより躍動感がある。

日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)
日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)

フロア下に敷かれる駆動用バッテリーは、英国仕様では52.9kWhか75.0kWhの2択。どちらもニッケル・マンガン・コバルト(NMC)セルで、サンダーランド工場近郊に構えるAESCエンビジョン社が生産している。

駆動モーターは、インバータとリダクションギアが一体になった、3イン1ユニット。これは、日本から運ばれてくる。最高出力は、バッテリー容量の小さい方が176ps、大きい方は217psと差別化。前輪駆動で、オーソドックスなパッケージングといえる。

多くの機能へ用意された物理スイッチが強み

インテリアは、日産エクストレイルと同様にデジタル技術が導入されつつ、人間工学も重視されたもの。ダッシュボード上には、タッチモニターとメーターモニターが一体になったワイドなパネルが載るが、大きすぎず、画像はシャープで好ましい。

オーディオの音量やドアミラーの角度、ヘッドアップディスプレイの変更など、多くの機能へ用意された物理スイッチが、確かな強み。ステアリングホイールにも、ソリッドな感触のダイヤルやボタンが並ぶ。

日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)
日産リーフ 75kWh エボルブ(英国仕様)

ただし、エアコンはモニター下部のタッチセンサーで操作し、反応は安定しない様子。ドアを開いた時にシートをスライドするかどうかや、アダプティブ・クルーズコントロールの調整などは、メーターモニターを見ながらステアリング上のボタンで行う。

タッチモニターのシステムはグーグルベースで、反応は素早く、メニューは理解しやすい。スマホとのミラーリングには、無線で対応。ホーム画面はカスタマイズでき、ショートカットのサイドバーもある。急速充電器を探せる、ナビの機能は有用だろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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